第4話 仲間は作れないとアイツらは言った
オレにスキルが発生した時、周りの大人たちは驚いた様だった。
スキルは普通、1人に1つ、多くても2つと言われていた。
それが、オレには3つのスキルがあるとなれば驚くのもわかる。
しかし、そのスキルの詳細を知った大人たちの反応は思い出したくも無い。
それでもベックはオレを親友だと言ってくれた。
ベックたちを●すにはゴブリンだけでは足りない。
必要なのは頼りになる仲間だと改めて思う。
ゴブリンたちが色々な魔物の巣を教えてくれたおかげで他の魔物を探す作業は手早く進んだ。
ゴブリンが見つけたのは1匹のオーガだった。
スキル『観察眼』は物の価値や魔物のステータスを確認する事が出来る。
「アイツは使えないかなぁ」
オーガの強さはゴブリンとは桁違いに強い。
しかし、個体数も1つの群れの匹数も少ない。
1度に仲間にできる数が少なく、固定のナワバリも持たない為、逃げられてしまう可能性が大きい。
「別の奴を探せ」
見つけたゴブリンに指示を出し、次の獲物を探そうと立ち上がった時だった。
オーガに近づく影があった。
それは子供と親のオーガだった。
「あはぁ⁉︎」
使えない所では無い。最高の戦力だ。
オレは目の前に集まり団欒を始めた3匹のオーガを仲間にする事に決めた。
「おい、お前どこ行くんだよ」
何処かへ行こうとするゴブリンの頭を掴み、作戦を話した。
3匹のオーガの前に、5匹のゴブリンが立ち塞がった。
手に持った棍棒を振り回して必死に威嚇している。
普段では決してあり得ない光景だ。
ゴブリンではオーガに決して敵わない。それを分かっているオーガは、ただからかわれていると思っているのか、互いに睨み合ったまま動かない。
しかし、オレにはその隙があれば充分だった。
スキル『コソ泥』は物を盗む時に気付かれにくいという特性を持っている。
しかし、初めに自分の事を意識していないと言う、条件があった。
そして、オーガの子供を対象に発動したコソ泥は成功した。
オーガの子供が声をあげて、オレの存在に気づいた時には手遅れだった。
「わかるよな。オレだってこんな子供を殺したく無い。だから少し協力してくれるだけでいい」
簡単にオーガに説明し、子供はゴブリンに預けた。
この歳のオーガでは大した戦力にならない。ゴブリンの巣にいた方が安心な上、人質には効果的だ。
「このままいけば仲間は集まりそうだな」
しかし、仲間にする魔物の数は考えなければならない。
魔物同士で協力し、裏切られる可能性があるからだ。
もう、裏切られるのはごめんだった。
「これだけいれば1人くらい●れるだろ」
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