第10話 古えの都ノックス
一行が辿ったサラリア街道は、アストゥールの国内を西から東へ貫く、王国内で最長の街道だ。よく整備され、途中には一定の距離ごとに巡回兵の詰め所や宿が立ち並び、旅人たちに重宝がられている。人と物資の多くが行き交う、人間に喩えれば最も太い動脈のような存在になる。
旅に適したこの季節、多くの旅人たちがこの道を行き来する。アルウィンたち四人も、その中に溶け込むようにして東を目指していた。
荒野を離れると周囲の風景は緑に変わり始め、その向こうには、天を突くような巨大な山脈も見える。高い天から吹き降ろす風を弱め、雲を留め置いてくれる天然の「城壁」だ。森や大きな木はないが、少なくとも大地は剥き出しのままではない。
わずか数日の距離で景色の色は変わり、谷間を吹き抜けていた荒々しい風とはうって変わった、穏やかな風が吹いてくる。
「ねえ、これから何処へ向かうの?」
一人では馬に乗れないワンダを後ろに乗せたシェラは、隣で馬を進めている少年に訊ねる。
「サウディードへ向かうつもりだ。この街道の、ずっと西のほうにある」
「サウディード?」
「学術都市、王国の頭脳。知恵を借りるには最適だろう」
と、アルウィンの向こうから、輝くような銀髪をもつ背の高い青年がぶっきらぼうに口を挟む。数日前に、オアシスの町からこの旅に合流した近衛騎士のウィラーフだ。本来は王族の警護に当たるべき役職だが、今回は、国王自ら指名した任務のため、アルウィンに同行している。
やたら口調に刺々しさを感じるのは、気のせいではないだろう。彼の立場上、部外者なのに同行しているシェラとワンダが邪魔なのだ。数日経ってもまだ、打ち解ける気配もない。それどころか、アルウィンと話をするのすら邪魔されることが多い。
やれやれ、とため息をつきつつ、シェラは、この話を打ち切った。もう少し聞きたいこともあるが、あとで、ウィラーフがいない時を見計らってアルウィンに訪ねてみよう。
「ふが…ふが…」
ワンダはというと、シェラの後ろで鞍からはみ出すようにして、器用に馬の背にしがみついたまま、気持ちよさそうに眠っていた。
順調に思われた旅が思わぬ障害に突き当たったのは、それからしばらく進んだ後のことだった。
街道の人通りがふいに途絶えたと思ったら、その先で、何やら抗議の人だかりが出来ていたのだ。街道が封鎖され、馬も人も、全て止められている。道の脇には困り果てた様子の商隊の馬車が集まり、旅人たちが何とか通してもらえないかと交渉しているが、封鎖している騎士たちは頑として動こうとしない。
「何度も言わせるな。この先は盗賊団狩りのため通行止めだ! 東方騎士団が、大規模な極悪組織の炙り出しのため軍事作戦を行っている。無理に押し通ろうとする者は、組織の仲間と見なして捕縛するぞ!」
「盗賊…?」
騎士たちの張り上げる声を聞きつけて、アルウィンが首をかしげる
「相変わらず東方は物騒ですね。どうします?」
と、ウィラーフ。
「街道を迂回して行くにしても、この分だと宿も借りられないだろうな。」
彼の視線は、遠回りの道へ向かっていく旅人の列を眺めている。通行止めで、仕方なく別の道を辿ろうとしているのだ。
街道沿いは大きな宿場町が多いが、少しでも外れると小さな町ばかりになる。それに食堂もきっと大混雑だろう。この季節なら馬の餌は道端で草を食べさせても問題ないだろうが、人間のほうは、調理されたものを食べたほうが良い。
「急ぎの旅じゃないし、近くの町で待ったほうがいいと思う。今、このあたりだから…そうだな。一番近いのは、ノックスだ」
「ノックス…。」
「ワンダはらへったぞー」
ふいに、シェラの後ろで眠っていたワンダがむくりと身体を起こした。一見して犬にしか見えない小柄な獣人が、声を上げる。
「うまいもの、食べたいぞ!」
そちらをじろりと睨みながらも、ウィラーフは、気乗りのしない顔で言った。
「あそこは、東方騎士団の本拠地です。”例の件”も未解決ですし、あまり気が進まないのですが…」
「?」
「数日足止めされるなら、大きな町のほうがいいだろう。ノックスは元々観光地で宿も食堂も多い。心配しなくても、そうそう何か起きたりはしないはずだ。」
一行の取りまとめ役が言うのなら、反対することは出来ない。
ウィラーフはひとつ溜息をつき、封鎖された街道に背を向けた。道の分岐点まで戻るためだ。
その隙をついて、シェラは素早く少年に訊ねた。
「ね、アルウィン。ノックスって、どんなところ?」
「かつて大陸最大の国として知られていたエスタード帝国の首都だった町だ。歴史ある町だから、見所は多い。大陸で一番高い塔もあるし」
「へえー。」
それなら確かに、数日足止めされても退屈することはなさそうだ。
出身も見た目もばらばらの四人組は、こうして、主街道から少し脇道に逸れたところにある、ノックスの町へと向かうことになった。
予定が狂うのは、旅ではつきもの。
とはいえ、この時の出来事は、それほど生やさしいものでもなかったのだが。
ノックスの町は、さすがはかつて大国の首都だったというだけあり、今まで通過して来た町とは大違いの賑やかさだった。
古びた城壁と門を潜ると、目の前に開ける広場に広がる色とりどりのバザール。着飾った町の住人たちはまるで大昔の貴族のようで、質素な格好の旅人たちとは一線を画している。
露天の掛け声、宿の客引き、大道芸。ありとあらゆる声が飛び交い、雑多な人混みに目移りする。
「すごい賑やかさね…」
少し気後れしているシェラの後ろで、ワンダは興奮気味に、天を突く真っ白な教会の塔に目を奪われている。
「あれ、すごいぞ。とんがって、空に突き刺さってるぞ。」
「あれが、ノックス大聖堂の鐘楼だ。毎日、朝と夕方に鐘が鳴る。」
アルウィンが説明し、ぽつりと言った。「…懐かしいな。」
「え、前にも来たことあるの?」
「仕事でね」
少年は笑う。
「あの時もウィラーフと一緒だったな。あまり愉快な任務じゃなかった。出来れば、今回は穏やかに行きたい。」
「へえー、それって何時のことなの?」
「……。」
訊ねても、傍らの騎士は黙ったまま、シェラのほうを見向きもしない。
あまり歓迎されていないのは分かっているが、ここまで来ると、ほとんど意固地のようなものだ。
シェラはそっと馬上で腰をかがめ、隣のアルウィンに聞いた。
「…ねえ、あたし、何かあの人に失礼なことでもした?」
「いや、そういうわけじゃないんだ…。ただ、ウィラーフはちょっと、人見知りするというか…。」
アルウィンは困ったような顔をして、馬上の騎士にちりと視線をやった。
「今回の任務は、少し厄介なものだから、気が張ってるのもあるんだ。許してやってくれないか」
「まあ、あなたがそう言うのなら。」
確かに、ウィラーフからすれば、国王シドレクから内密に引き受けた任務に、どこの誰とも知らない行きずりの人物が二人もくっついてきているのが我慢ならないのかもしれない。
シェラの乏しいイメージでは、王国に仕える騎士といえば、格式や使命を重んじる堅苦しい人たちのことだ。中でも彼は、首都に本部を持ち、アストゥールの中心部を守る最も格式の高い騎士団、宮廷騎士団に所属している。任務の途中で立ち寄った観光地に浮かれるなど、言語道断と思われているのかもしれなかった。
「で、どうします? アルウィン様。まず宿を押さえておいたほうがよさそうですが」
ウィラーフは、シェラのことを完全に無視して話をすすめる。
「そうだな。街道が開くまで時間がかかるなら、ここもじきに旅人で溢れそうだ。宿の手配を頼めるか?」
「ワンダ、はらへったぞ。ごはんー」
全く雰囲気を読む気のないワンダは、まだそんなことを言っている。
「ああ…。じゃあ、そこの店で食事しながら待ってるよ。ウィラーフ、よろしく」
「分かりました。」
ウィラーフは、軽くとシェラとワンダのほうを睨みつけた後、何も言わず人ごみの中に姿を消した。
そんなわけで三人は、ウィラーフ待ちながら、通りに面したレストランの、外の見えるベランダ席で遅めの昼食を摂ることになった。
ワンダは風景も見ずに、さっそく料理にがっついている。不機嫌な騎士が側にいないのを幸いとばかり、シェラも、思う存分、観光客としての気分を満喫する。
「ほーんと、綺麗な町よね。陸の奥にこんなところがあるとは、思わなかったなぁ…。」
石畳の通りを、馬や人がひっきりなしに行き交っている。建物のほとんどは、何百年かの風雪に耐えてきただろう重厚で歴史を感じさせる造りで、軒先に張り出した植物意匠の模様など、端々まで芸術的嗜好が伺える。
「ここは大陸での有数の大都市だからね。リーゼンハイデルよりは小さいけど」
「首都って、そんなに大きいの?」
ティーカップを取り上げながら、シェラは、ふと少年の憂い気な表情に気がついた。
「どうしたの?」
「ん、いや。…前にここに来た時のことを少し、思い出していた」
「愉快な任務じゃなかった、って言ってたわよね。その時も、王様の言いつけたお仕事だったの?」
「そう。”リゼル”の一人が、この町で消息を絶った。その、穴埋めかな。」
何気なく聞いてしまったことを、シェラは後悔した。
「…ごめんなさい」
”リゼル”というのは、王の命で任務に赴く者が名乗る隠し名のことだ。
王国内に存在する、様々な言語を使う少数部族の間をとりもち、連絡や交渉を行うための特殊外交員。それが、この少年を含む”リゼル”と名乗る人々の役目だ。任務の際に彼らが役職名だけを名乗る理由をシドレクはぼかしていたが、おそらく、機密事項に多く触れるぶん、危険も多いのだろう。
「でも、今でも不思議なんだ。――どうして、彼がここで消息を絶ったのか。」
アルウィンは、通りの人混みを眺めながらつぶやく。
「失踪した時に彼が担当していたのは、この町に住むレトラ族という少数部族から事前に約束された資料を借り受けるという、特に交渉ごとも必要ないほどの仕事だった。まして、この町には、王国の東の警備を統括する、東方騎士団の本拠地がある。他の町に比べれば、治安は格段に良いはずだった」
「え、資料の借り出し? ”リゼル”って、そんな仕事もしてるの?」
「持ち主が気難しい古老だったんだよ。それで、レトラ語の堪能な”リゼル”に説得を頼んだらしい。彼らにとっては大事な古文書だったらしくて、そうでもないと、すんなり貸し出してくれなさそうだったんだとか。」
「ふーん…それで、借り出し自体は上手くいったのね」
「ああ。それは、おれが確かめた。ただ、借りた資料は本人とともに行方不明になってしまっていた。――それで、謝罪のために呼ばれた二人目が、おれだった、ってわけ。あの当時はレトラ語はほとんど判らなかったから、片言で必死に謝ったんだ。そりゃあもう大変で…。」
「そりゃあ、確かに愉快じゃないお仕事ね。」
シェラは、パンをちぎりながらアルウィンと同じく通りに視線をやって。
さっきから、目立つ大きな馬に乗った揃いのマントの人々が何人も行き交っている。王の前で正装していた時のウィラーフや、もう一人いたデイフレヴンという騎士にどこか似た雰囲気を持っている。
白いマントには、染め抜かれたアストゥール王国の紋章が見えた。
「そういえば、あの人たちも王国の騎士なの? あの、真っ白なマントの」
「あれが、東方騎士団だよ」
「騎士団って全部いくつあるんだっけ」
「王立騎士団は、全部で四つ。中央の宮廷騎士団が金、東が青、西が赤、北が白。それぞれ、剣につけている房飾りの色で判る。」
「みんな同じ剣なの?」
「だいたいはね。長さの好みや二刀流なんかはあるけど、どこかにアストゥールの紋章が入ってるはず」
よくみると確かに、通り過ぎてゆく馬上の騎士たちの帯びている剣には、青い房飾りが揺れていた。ウィラーフのつけていたものと同じ形で、色だけが違う。
身を乗り出してじっと見ていた時、ふと視線に気づいて馬上の騎士が一人、顔を上げてこちらを見た。にこりと笑って、シェラに向かって手を振る。
「わ、なんか余計なことしちゃったかも。」
「…興味ありそうに見つめるからだよ。」
ただでさえルグルブ独特の髪と肌で目立つうえに、控えめに見ても魅惑的な容姿のシェラに見つめられて無反応な男性は、そうそういないだうろ。
「こっち来ないわよね。来ないわよね。」
シェラは何故か焦りながら、少年の影に隠れようとする。
「向こうも仕事中だろうしね。…あ、ウィラーフが戻ってきた」
通りを行き交う人々より頭一つ分背の高い青年が、通りを横切ってくるのが見える。
「おかわりー!」
ワンダが声を上げ、給仕にくすくす笑われていた時、ちょうど、ウィラーフが店内に入ってきた。
「……。」
アルウィンの隣のシェラをじっ、と見つめて不機嫌そうな顔になると、仕方なく、といった様子で、向かいのワンダの隣の腰を下ろす。
「宿は二部屋、確保してきました。やはり、封鎖された街道から人が流れて来ているようです。どこも満室で、危ないところでした」
「ご苦労様。何か食べる?」
「いえ…」
ウィラーフは、食い散らかされたワンダの前の皿の山を見て、ため息をついた。
「そんな気分ではないので。――それより、東方騎士団の動きが妙に活発なようです。」
「盗賊退治に行くからじゃないのか?」
「それだけではないかもしれません。気にしすぎならいいのですが、小耳に挟んだ話だと、しばらく町を留守にしていたローエンが、本部に戻ってきているようです」
リゼルの手が止まった。
「騎士団長が?」
「ええ。見つかると厄介です。滞在中、あまり目立たないようにしたいところですね。」
言いながら、傍らのワンダを睨む。
「特に、そこのお前。」
「む?」
まるきり聞いていないらしいワンダは、口いっぱいに食べ物を頬張りながら振り返った。
「騎士団長がどうしたの。何でまずいの?」
シェラが尋ねると、ウィラーフは、きっと彼女を睨んだ。
「前の任務で挨拶していて、顔が知られてるからだ」
「あと、宮廷騎士団と東方騎士団は、仲が悪い。」
アルウィンが付け加える。
「アルウィン様…!」
「今更、隠しても仕方ないだろ。実際そうなんだ。それとも、今回は彼らについての愚痴を一度も言わないと誓う? それなら撤回してもいいけど」
「それは…。」
ウィラーフは、妙に歯切れが悪い。シェラやワンダには強気なくせに、年下で、しかも王族でも無いはずのアルウィンに対してだけは妙に気弱なのだ。
(ふーん、なんだか面白いわね。王様にさえ容赦ないこと言ってたくせに)
やりとりを聞いている限り、この二人は、ただの”王の家臣”繋がりではなさそうだと、シェラは密かに思った。仲の良い友人、というよりももっと深い繋がりのようなものを感じる。遠い親戚とか、幼馴染とか、そういう関係――。
けれど今は、面と向かってそれを尋ねられるほど親しくはない。
それに、アルウィンはかたくなに自分のことは話したがらなかった。もしも予想が当たっているなら、二人はどちらも答えてはくれないという気がしていた。
食事を終えると、四人はウィラーフのとった宿に向かった。
「すいません、町の中心部からはかなり離れているんです。こんなところしか部屋が空いていなくて」
「いや、このほうがいいよ。今回は観光に来たわけでもないし」
案内されたのは、町のはずれに近い下町の一画にある、こざっぱりとした裏路地の宿だった。住宅街に面した場所にあり、表通りの喧騒からは切り離されている。
部屋は二つだったから、アルウィンとウィラーフ、それにシェラとワンダという組み合わせに別れることになった。
お腹いっぱいになったお陰か、ワンダは部屋につくなり熟睡してしまった。警戒心皆無のまま両手両足をベッドの上に投げ出していびきをかいている姿は、可愛いというより少し滑稽ですらある。
(毛皮着てるし、毛布をかけてあげる必要は…無さそうね)
ワンダをそのまま寝かせておいて、シェラは、窓を開いた。
住宅街の中とはいえ眺めは上々だ。家々の屋根の隙間からは、町に着いた時に見た、天を衝くような大聖堂の尖塔が覗いている。
「やっぱり高いわねー、あの塔」
「夕方まで、まだ時間はある。散策してきたら?」
隣の部屋の窓から、同じように町並みを眺めていたアルウィンが言う。
「うん、せっかくだしそうするわ。」
「あ、ちょっと待って。一人で行くと道に迷うかもしれないから…」
アルウィンの声とウィラーフの声。隣の部屋で、なにやら揉めているらしい。
数分後、むっつり顔のウィラーフがシェラの部屋の前にやってきた。あからさまに気が乗らない様子だ。
「…不本意だが、私が道案内をする。」
「え? ええ、…ありがとう…。」
揉めていたのは、どうやら、この町に来たことのある二人のうちどちらがシェラを案内するか、ということだったらしい。
シェラとウィラーフは、連れ立って宿を出る。
これまでの旅の間も、ほとんど会話を交わしたことがないのに、まさか、いきなり二人きりになるとは思わなかった。
「ちょっと、そんな不機嫌そうな顔してついてこないでよ。騎士のくせに乙女の随伴が嫌なの?」
「……。」
ウィラーフは口を閉ざしたまま、宿の前の通りからアルウィンのいる部屋を見上げる。
「もしかして、彼のことが心配?」
「…いや。この機会に、不得手なレトラ語の勉強をするそうだ。。私がいないほうがはかどるだろう」
不機嫌そうな表情のわりに、アルウィンのことを話す時だけは、妙に口調が柔らかくなる。
「大事なのね。あの子のこと」
ウィラーフの瞳に、僅かに動揺の色が浮かんだ気がした。
「…どうして、そう思う」
「何となく。騎士とお役人、っていう仕事上の関係だけには見えないもの。」
「――出身が同じというだけだ。」
大通りに向かって歩き出しながら、彼は、ぼそりと呟いた。「今は、仕事上の関係でしかない」
「ってことは、あなたも”自治領”の出身?」
「!」
目に見えて、ウィラーフの顔色が変わった。「どうして、それを…。」
「う、うん」
シェラは狼狽えた。
「えっと…ごめんなさい。前にアルウィンから薄っすら聞いて…」
「なら、黙っていろ。誰かに言いふらしでもしたら、お前の口を永遠に塞ぐぞ」
あまりの剣幕に、シェラは口をつぐんだ。
「行くぞ」
有無を言わさぬ勢いで、ウィラーフは振り返りもせずに大股に歩きだす。シェラは、置いていかれまいと慌てて後を追った。
大通りへ向かう二人の頭上では、時を告げる塔からの鐘の音が、高らかに鳴り響いていた。
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