勇者、魔王討伐を宣言する。


魔王が勇者討伐に乗り出す、少し前のこと。




『我らの秩序を乱す、魔王とその一味を討伐せよ!』



ある日、人間4国に加え、エルフ、ドワーフ、の全六か国の王が集まる会合に、聖騎士リノが呼ばれ、正式に下令された。


その日から、リノは勇者となり、国宝である『勇者装備』が、勇者一行に受け渡されたのだ。




 勇者一行。


 つまり、


 勇者(聖騎士)、

 槍使い、

 弓使い+盗賊、

 賢者、

 聖職者、


 の計5名。



 そして勇者たちは、伝説級の王家の装備に身を包み、決意を新たにする。


「今日、正式に王命を受けました。すなわち、私達、勇者パーティが倒すべき敵は、宿敵、魔王です! 良いですね?」


 一行は、望むところだと、気合を入れる。


 そこに。


「よし、リノ。オレ様にまかせておけ。オレ達は今までどんなBOSS強敵にも負けなかったんだ。もはや魔王などおそるるに足らん! 数日後には、この貰った新しい槍の錆にしてやる!」



 槍兵ユギトから、凄まじい闘気が迸る。


 その威圧感だけで、弱小の魔物は恐れ戦くほどだ。


 槍兵は、自信満々の表情で、そんな強気な発言をして、颯爽とその場から消え失せた。

 

 一人で行ってしまったのだ。


 

「ちょっと、ユギト兄さん……!?」


 勇者が声をかけた時にはもう遅かった。

 

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