第3話 人型の光の正体 

『そうだね。まずはそこから話そうか。』

男性の声=人型の光はそう答えた。


『まず前提として今君に聞こえている言語は、君の中にある神格を解放したことによる自動翻訳だと思ってほしい。だから多少のズレが生じるかもしれなが理解してくれ。』

「僕の中に神格が・・??」

神格という言葉自体はラノベ知識で知っている仁。

だからと言って物語の中だけと思っていた物が、自身の中にあると言われても

ピンとは来ないだろう。

『そこはまた追々話すとして。ひとまず君の質問に答えるとしよう。』

腑に落ちない部分もあるが、質問したのは自分だと思い素直に頷く仁。


『私は君達の知識によると神に近い存在かな。ただ世界を管理したり導いたりする神とは違い、その世界や神そのものを創生する神に位置する。まぁ神たちの神。創生神と言ったところかな。』

〈そんなのがいたのか!!!・・・神の神・・〉

仁は目を見開いた。自分のラノベ知識にない存在が現れたからだ。

神と聞いて思いつくのは、せいぜい異世界の神か元いた世界の神くらいだろう。


『そしてここは創生神界。創生に関わる神たちの住まう場所だよ。住まうと言っても我々は常に世界を創生しては、無限ある世界の中から崩壊しそうなものを選び出し、他の世界に影響を及ぼす前に抹消する。それをただ只管繰り返している世界の始まりと終わりがある場所でもある。』

「どうしてわざわざ抹消を?」

『世界が自己崩壊してしまうその瞬間、膨大なエネルギーを放出してしまってね。隣や近くの世界にまで悪い影響を及ぼしてしまうからなんだよ。』

「なるほど。」

自分の知識にないことに少々興奮しながら、聞いている仁。

『そしてこの創生と抹消に今の君の状態が深く関わっているんだよ。』


!?!?!?

仁はまたしても目を見開いた。まさか今自分が置かれている状態が

世界の創生と抹消という、神々の大それた行いに関わっているとは

夢にも思わなかったからだ。

せいぜい間違って死なせてしまったからごめんなさい。

のテンプレだろうと。


『ここからは私の部下で、今回の事の発端を作った者に説明させるとしよう。謝罪も含め、しっかりと頼むぞ』

『畏まりました。それでは仁様。仁様の現状と謝罪。今後について私の方から、ご説明させて頂きますね。』

今まで沈黙を保って創生神様の周りをフワフワ漂っていた光球が、声を発する度に明滅しながら話しかけてきた。

「よろしくお願いします。。でも謝罪ってどういう・・・?」

色々と驚いてきた仁は、これくらいはとあまり驚きもせず答えた。

ただ・・・謝罪と聞いて何故?と疑問に思い首をかしげる仁。

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