第2話 謎の空間

〈体がだるい・・・〉

高熱にでも侵された様な、体の気怠さを感じながら僕の意識が浮上した。

〈ここはどこだ?確か最後の記憶では自室の布団の中にいたはず・・・〉

〈なぜフワフワしている?まるで水の中にいるみたいだ〉

意識は覚醒しつつあるものの、目は開けられずいた仁は五感を頼りに

自分が置かれている状況を、把握しようと頑張っていた。


どれくらい経っただろう・・・

10分か?いやそんなに経っていないのか?

そんなことを考えていたその時!

『%△#?%◎&@□!』

〈!!? なんだ今のは?〉

『○%×$☆♭#▲』 『@*/.:;!/>&$%)!! ”#$%&’’&%$&?*+‘@’’』

「ぐぅっ!!!」

言語のようなそうじゃないようなものが聞こえ、何だろと思考していた時

急に胸が苦しくなったかと思った直後に胸から力が湧くというか

じんわりと暖かい感じのものが溢れてきた。


『私の言葉はわかるかな?』

!?!?!?

突然話しかけられた僕は、驚きのあまり返答が出来なかった。

『おかしいな。封印は解放したのだろ?』

『はい。彼の中にある神格および神力の第一封印は解放しました。』

男性の。それもある程度年齢のいった感じの声と

女性???いや、中性的な男でも女でもどちらでもないような声が聞こえた。

『ならもう1度ためしてみよう。君は・・仁君は私の言葉がわかるかな?』


「はい。」

今の現状と声の正体が知りたかった僕は、答えることにした。

『良かった。無事に解放は出来たみたいだね。じゃあ目を開けてごらん。』

男性だろう声に従い、ゆっくりと目を開けた。

目の前には何もない。ただ真っ暗な空間と、そこに浮く白く光る人型の何か・・と

その周りをフワフワと周回する光球がいた。



真っ暗な空間に白く光る人型の何かと光球。そして仁。

そんな謎空間で一時思考が停止していた仁だったが・・・

「お聞きしてもよろしいでしょうか?」

頭が再び稼働するのは早かった。

日々の喧嘩で培われた、現状把握と対応能力のおかげだ。

言葉遣いが丁寧なのは何もわからない今の状態で

尊大な態度は悪手であることは明白だからと仁は理解していた。


『なんだい?』

男性だろう声の主が答えた。

「あなたは一体誰なのか。ここは何処なのか。そして僕はどういう状況にあるのか。

お教え頂けませんか?」

『そうだね。まずはそこから話そうか。』

男性の声=人型の光はそう答えた。

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