お盆のお精進
お盆だからお精進だと家人が言う。
はて、そういうものだっただろうか?
お盆には
そう思って家人の顔を見遣ったところ、向うは向うで何やらそっと目を逸らすので、あちらにしても確たる自信は無いのだろうということが判然となった。ただ、この場合、
まあ、
少なくとも今年はそういうことにしよう。
そう決心したところで、お昼近く、何だか腹が減って来たので、二人して近所のスーパーに向かった。
夏の休暇の盛りとて、魚も肉も、色々と美味しそうな品ぞろえがあるものの、今年の吾が家はお精進ということになっているので、惑わされてはならない。
とりあえず、今日の
家人の言に従って、ここからいくらかはご先祖様のお供えにおすそ分けという寸法。
おすそ分けというのは、ご先祖様にはいささか不遜であるようにも思われるから、そうだ、発想を逆にして、僕がおすそ分けにあずかるという方便にすればよかろう。
ということで、お昼はそういうことにしておいて、さて、晩ごはんは、いかんとしよう?
里芋やら、椎茸やら、蒟蒻やら、牛蒡やら、
アルコールが入れば、お精進であったとしても、それなりの楽しみはある。
まあ、今日明日はこうして真面目に過ごしておいて、さて、精進明けには?
そこはあれこれと、今から
<了>
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