第4話 軽いハプニング

「はーい、ちゃんと皆時間前に来てくれたなー、せっかく早く来たから、早くやろうなー、各班一人ずつ前に道具とりにこーい。」


 はぁ、ちゃんと、白衣来てる、普段ジャージにダサTなのに、白衣でちょっとカッコイイかも、いいなー、普段のダサTは何処で買っているんだろ、私も買ってみたいかも、今度聞いてみよ。


「おい、加奈、早く前取り行きなよ、みんな譲ってくれてるよー」


 そう、私が、恐れ多くも、れんちゃんの事を、好いていることがみんなに知れ渡っているのだ、まぁ、間違ってはいないのだけれど。少し恥ずかしいというか何というか。まぁ気を遣ってくれるのは嬉しいけどねー。


「先生!取りに来たよ」


「おう、一番遅かったけどな、気を付けて持って行くんだぞ」


「分かってるよー」


 そんなに、心配しなくたって大丈夫だよ、私はしっかり者だし―


「加奈!!前見て!」


「あ、おい、ばか、あっぶねぇ」


 どうやら、うっかりしてたらしい、道具を受け取ったまでは良いが、つまずいて転びそうになったのだ。それをなんと軽井繊維が受け止めてくれた。


「か、軽井先生、ご、ごめんなさい、」


「お、おう、反省してるなら、いいんだけど、その顔、反省してる顔じゃないぞ、まぁ気を付けて持ってけよ」


すこし、落ち込みながら、席に帰る、私が迷惑かけたから、何も言えないけど、もうちょっと、心配してくれてもいいのに。やっぱり軽いなー。


「大丈夫?加奈、心配したよ?ほんとに危なかったんだから、怪我無くてよかったよ」


「うん、ありがと、やっぱり持つべきものは友だね、早紀が叫ばなきゃ気付かなかったよ」


 ほんとに、早紀の温かさが身に染みた、軽井先生、軽いし今日は冷たい属性でもあるのかな、それとも、危なっかしい子は嫌いなのかな。嫌われてたら悲しいな。


——―――――——―――――——――――——―――授業終わり

「おい、加奈さん、少し残って、話があるので」


 げっ、怒られるんだな、嫌だなー、そう思いながら、先生の所に行くと


「加奈さん、困りますほんとに、危ないですし、以後気を付ける事、怪我無かったですか?」


「あはは、大丈夫ですよ」


 気まずくなって、ついつい下を向く、そんな私を見かねたのか、軽井先生は、頭をなでる


「ちょっと、怒るの怖かったか?でも起こったつもりないから、心配しただけだから、落ち着いたら、気を付けて帰りなよ」


「え、本当?せんせい、心配してただけなんですか?じゃあ、なんであの時、あんなに、冷たかったんですか!」


「そりゃ、みんなの、視線もあるし、あんまり構えなかったんだよ、あーもう、はず、はい、帰った帰った」


「へへ、ありがとね、れんちゃん!また実験の授業しようね!ばいばい」


 やった、嫌われてないし、むしろ好かれてるかも!

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