第6話 何年も接待

「それをさ毎回、おにいちゃんに言ってくるんでしょ?」


「そうだよ」


「『わかりました』って?おにいちゃんが予約して?」


「そうだよ」


「んでお金出して?」


「そうだよ。そういうこと」


「・・・すっごいね」


「すっごいと思わない?」


「すっごい。それがずーっと何年もでしょ?」


「何年もだね」


「いやー、すごい」


「何年もだよ、しのさん」


「何年もだもんね。

あのさ、話変わるけどさ、うちの近くの公民館みたいのあるのわかんないか、カーブのところにあるのね。そこにね、会社が入るんだって」


「え?」


「会社。ありえる?」


「なんで公民館に会社が入るの?」


「でしょ?で、今日挨拶来たのね、いきなり」


「はい?」


「いきなりね。で、なんだっけ?あ、そうそう、公民館だよ?」


「なんで公民館に会社が入るの?」


「ね?ありえなくない?」


「あり得ないよ。え、なんで?意味わかんない」


「意味わかんないよね?あのさ、うち入るところクランクみたいになってるじゃん」


「うん」


「あそこの左側に小さい公民館みたいのが。そこ使われてなかったの。誰もね。で、なんかなんだっけ?内装とかやってたのね。で、やってて、やったまま放置されてたのね。そしたらなんか最近車とかボンボンって停まってるなーって思ってたけど、なんか結構お盆で帰って来る人とかそこ路駐じゃないけど停めたりしてるのね。そうかなーって思ってたら今日いきなりピンポンって挨拶来て」


「うん」

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