第2話 寝てた時間

「基本は8時とか9時だよ」


「えー、だよねぇ?」


「お母さんに『寝ろ!』って言われるだろ?今は時代が違うから」


「うん、いや、私も言ってるんだけどね。やっぱ『寝ろ!』って言われたよね?」


「そりゃそうだよ。『子供は寝る時間だ!』って言って」


「そうそう、9時とかに起きてたらめっちゃ怒られてたよね?」


「昔はね」


「昔はね」


「今は違うから昔とさ。かーせーき。『おもてなし』じゃなく『かーせーき』」


「化石なの?ほんと困る。だからそう、意味ないんだよ」


「何が意味ないの?w」


「意味ないっていうか、だから、私がいてもいなくても」


「『私がいてもいなくても』。そりゃ意味あるに決まってるんだろう、おまえ。お母さんいなかったらお子達どうするんだよ」


「ちゃ、ちゃ、ちゃ、、ちゃ、寝る時だよ、寝る時」

※ちゃ=違うの高速音


「必要でしょ?」


「寝る時?」


「当たり前だろ。お母さんがいるのといないのとじゃ」


「そっか」


「寝る時お母さんいないと淋しいだろ?」


「おにいちゃん、どうやって寝てたの?」


「うん?オレは枕を濡らしながら寝てたよ」


「泣いてたの?」


「よく覚えてない。でももう・・・あー、覚えてないな。何にも覚えてない。

なんにもない~♪なんにもない~♪」


「何それ?聞いたことある」



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