あなたと電話 2021年8月18日

しの

第1話 化石

2021年8月19日 



「もしもし?」


「もしもし?」


「お疲れ」


「お疲れ。まだ元気だな、お子達は」


「うん

元気だよね

もう全然寝ないんだもん」


「そりゃそうだ」


「だから私がいてもいなくても寝ないんだよ」


「うん。どうなってんの?」


「どうなってんの?w

だからおにいちゃんさ、昨日さ「おまえがいないからアレなんだよ」って言うけどさ

まったく関係ないの」


「でも、おまえがいるから起きてられるんだろ?ある意味

お母さんがいるから」


「ううん、違うよ

普通さ、いるからさ安心して寝るんじゃないの?」


「いるから、わかって遊んでるんじゃないの?」


「ああ、そうなの?」


「でしょ?」


「いや違うと思うけど・・・」


「困ったもんだね」


「困った。ほんと困る

だってさ、8時半くらいからさ寝かせたいから布団にいるのね」


「うんw

だけど寝ない」


「だけど寝ない」


「寝るわけがない。そんな時間に」


「ふふふふw

そうなの?」


「そんな時間に寝るわけがないだろwそもそも」


「え、だって、ええ~

私たち寝てたよね?」


「私たちって?

ま、世代が違うだろ

おまえもオレも化石だからな、化石」


「いひひひひw・・・・え?」


「化石

かーせーきー」


「化石?

化石なの?

ふふふw」


「しのさん、化石

だろ?」


「うん

えー、なんかわかんない

9時とかには寝てたよね?」


「化石だからだよ」


「どういうこと?」


「化石は早寝早起き」


「だよね?だったよね」


「今は違うんだよ」


「えー、おにいちゃん何時に寝てた?」














  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る