第34話 歯や舌を知ろう(単語解答)

 飲食して話す器官を「口」と言います。


 大きく開いた「大口おおぐち」、横に大きい「鰐口わにぐち」、怒ってとがった「とがぐち」、つぼめた「おちょぼ口、お壺口つぼぐち」などがあります。下顎が上顎よりも前に出ているのを「受け口」と呼びます。


 口の中は「口腔コウコウ」学術的には「口腔コウクウ」と呼びます。

 口の中の上側の壁が「口蓋コウガイ」です。前三分の二ほどが「硬口蓋コウコウガイ」、奥三分の一ほどが「軟口蓋ナンコウガイ」と呼ばれます。


 口のあたりは「口元」「口許くちもと」「口辺コウヘン」、口の端は「口角コウカク」、口の先端は「口先」「フン」「口吻コウフン」です。


 口の上下にある薄皮に覆われた「くちびる」も「くちびる」「口唇コウシン」とも書きます。「口唇炎」がありますね。上が「上唇うわくちびる」、下が「下唇したくちびる」です

 赤い唇を「朱唇シュシン」「紅唇コウシン」と書きます。




 食べ物を噛み砕く器官が「歯」です。

 歯と牙を「歯牙シガにもかけない」とまとめて呼ぶ場合もあります。


 前部にある上下各四本の歯を「前歯まえば」で学術的には人間のものは「切歯セッシ」、動物のものを「門歯モンシ」とも呼びます。

 とくに上の前面に「こう」があり、このうち左二本を「大黒ダイコク」右二本を「恵比寿エビス」と呼びます。これは神棚から見て右に恵比寿像、左に大黒像を奉ったことから来ています。なので日本以外や異世界では使えませんね。


 前歯と奥歯の間に「犬歯ケンシ糸切いとき」があります。


 口の奥にある臼状の「奥歯おくば臼歯うすば臼歯キュウシ」で、最も遅く生える奥歯を「知歯チシ智歯チシ知恵チエ親不知おやしらず親不知おやしらず、第三大臼歯ダイキュウシ」と呼びます。


 六〜八カ月の乳児のときから生え始め三歳ごろに二十本生え揃って六、七歳で抜けるのが「乳歯チュウシわり乳飲ちの」。

 乳歯と入れ代わりに生えるのが「永久歯エイキュウシ成歯セイシ」です。乳歯の代わりの二十本に大臼歯十二本の計三十二本になります。

 老人になってから再び生える「瑞歯みずは稚歯みずは」は長寿の印とされました。


 歯の付け根の肉を「歯茎はぐき歯肉シニク歯齦シギン」、歯の根がはまっている顎の骨の穴を「歯槽シソウ」と呼びます。「歯茎が腫れる、歯肉炎、歯槽膿漏」の言葉はご存じでしょう。


 歯の口内に出ている部分を「歯冠シカン」、歯茎の中に入っている部分を「歯根シコン」と呼びます。

 歯の中の空所を満たす柔らかい組織が「歯髄シズイ」で、これは俗に「歯の神経」と呼ばれます。


 歯の並び具合を「歯並はならび、歯列シレツ」、不揃いな「乱杭ランぐい」。重なって生えた「八重歯やえば」、外へ突き出た八重歯は「鬼歯おにば」です。八重歯は主に犬歯に起こります。

 斜めに突き出た前歯を「」と呼びます。


 歯の硬組織(エナメル質、象牙質、セメント質)が破壊された「虫歯むしば齲歯ウシ虫齧むしか」になって苦労した方もいらっしゃいますよね。

 反対に丈夫な歯を「堅歯ケンシ」と呼びます。

 子どもの黒くなって欠けた「味噌みそ


 白く美しい「皓歯コウシ白歯しらは」、玉を並べたように美しい「玉歯ギョクシ」。

 黒く染めた「御歯黒おはぐろ鉄漿おはぐろ涅歯デッシ涅歯ネッシ」などがあります。


 人造の「義歯ギシ」で、歯の悪い部分を削って人工の歯を継ぎ足したものを「」と呼びます。

 金冠をかぶせた入れ歯は「金歯キンば」、銀冠のものは「銀歯ギンば」です。

 歯の型を「歯型はがた」と言います。




 口の中にある味覚と言語を司る器官「舌、べろ」

 舌の先「舌先したさき舌頭ゼットウ舌尖ゼッセン舌端ゼッタン

 舌の付け根「した

 舌の上面に出来るこけ状の付着物「舌苔ゼッタイ

 熱いものが食べられない「猫舌ねこじた

 舌には多くの「味蕾ミライ」と呼ばれる受容体があります。これがさまざまな味わいを感じる器官なのです。

 とくに舌に多いのですが、軟口蓋にも存在しています。



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