第33話 歯や舌を知ろう

 口を大きく分けると「唇」「歯」「舌」「喉」に分類されます。

 このうち「唇」「舌」「喉」は構音に作用するので、発音関係は別にまとめます。


 今回は歯と舌に的を絞り、食べる・飲むを中心に綴っていきます。



 皆様は食べたり飲んだりは好きですか?

 まぁ嫌いでも食べたり飲んだりしなければ生きていけないのが人間ですが。

 まさかアンドロイドやロボットではありませんよね。


 「口」と一言で表すと簡単なのですが、「歯」を使って切り取りすりつぶし「舌」で味わう。この一連の流れが「食べる」「飲む」です。


 生きていくうえで欠かせないからこそ、語彙もかなり多めに揃っています。



 では小説で口の形について書いたことがありますか?


 わたくし事で申し訳ないのですが、口の形について書いたことがありません。

 話すという点でも書かないのは大問題ですが、小説であまり物を食べたり飲んだりするシーンを書いていないんだな、と思い返しました。



 人間が生きていくうえで不可欠な飲食なのに、そのシーンをまるっとカットする。

 これでは読み手の共感は得られないでしょう。


 根源的な動作や行為だからこそ、書けば必ず共感を得られる。

 こんな単純な事実に、書き手はなかなか気づかないものです。


 あなたはどんな飲食シーンを描けるでしょうか。

 ただ「食べた。」「飲んだ。」としか書いていませんか。

 それで読み手が共感するとはとても思えません。



 味覚に限らず感覚は、読み手と共有できる数少ない情報です。

 物語の設定がつまらなくても、五感を刺激して共感できる作品は強い。


 その域に達すれば、あなたの小説は劇的に読まれるようになります。

 続きが読みたくてたまらなくなるのです。



 実は、味覚の多くは嗅覚と関係があります。

 鼻で嗅ぎ分けられないと味がわからないのです。

 試しに、鼻をつまみながらラーメンを食べてみてください。

 味がほとんど感じられなくなりますよ。


 新型コロナウイルス感染症の後遺障害で、味覚障害を訴える方が多いそうです。

 肺や呼吸器に作用するウイルスで味覚がやられるとは考えづらい。

 つまり実際は嗅覚がやられてしまった可能性があるのです。

 そうすれば味覚障害を訴える方のほとんどが「においもわからない」と言っているのも説得力が出てきます。


 人間は鼻からにおいを感じて味を判断する材料にしているのです。



 ちなみに味は「五味ゴミ」つまり五つあるのですが、どんな味かわかりますか?



 別にグルメ小説を書け、と言っているわけではないのです。

 ただ知識として頭に残っていると、いざというとき慌てずに済みます。

 そして「五味」は舌にある「味蕾ミライ」でそれぞれに分けられて判断されるのです。別の味も認識できると言われていますが、私の知識ではそこまで判断できませんでした。

 でも舌の部位によって感じやすい味が異なる、というのは聞いたことがあります。



 では「五味」について答えを求めて次話へ進みます。



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