第9話 胴を知ろう

 「胴」は頭部と四肢(手足)を除いた部分の総称です。


 まず質問です。

 「胴」に含まれる体の部位を挙げてください。

 大きく五つに分けられますよ。


 これがぱっと出てくるようなら、小説を書くときもすらすらと書けますね。

 もし頭をひねるようだと、もう少し勉強してからがよいかもしれません。

 ちなみに「首」は含まれません。

 それ以外で五つですね。


 小説では手足の動作はよく書くけど、胴の動作はあまり書きません。

 それは胴がそれほど動かない部位だからかもしれません。

 伸ばす、屈める、倒す、ひねる、曲げる、回す。

 だいたいそんなものです。


 しかし体型を考えるときは、胴を抜きにするとかなり限られてしまいます。

 アニメのように髪の色と髪型が違うだけで、ほかはすべておんなじなんてことも出てしまいます。

 私も小説であまり胴を描写していませんね。

 これはずぼらに過ぎたと思いますので、これからは胴もしっかり書こうと決めました。

 「思い立ったが吉日」です。

 『秋暁の霧、地を治む』はすでに校了しているので、今回は「ごめんない」します。


 ちなみに「胸」と「おっぱい」は「胸」でひとまとめにしてください。

 生殖器も「腹」にまとめましょう。


 おっと、すでにふたつ挙げてしまいました。

 「胴」にはあと三つありますよ。


 間違えても「胸」と「肋骨」と「みぞおち」と「肺」と「心臓」とか答えないように。

 それ、すべて胸部に入ってますがな、と。




 さて、「胴」を構成する五つの部位、皆様おわかりになったでしょうか。


 語彙は次回にまわしますが、ここで五つの部位を明らかに致します。



 それは「胸」「背」「腹」「腰」「尻」です。

 漢語で言えば「胸部キョウブ」「背部ハイブ」「腹部フクブ」「腰部ヨウブ」「臀部デンブ」です。


 なんだ、大腸も盲腸も、腹直筋も関係ないのか。


 はい、関係ありません。少なくとも内臓である「大腸、盲腸」は使いたくなったら調べれば済みますし、「腹直筋」だって解剖学の書籍を読めばどの筋肉がどういう名前かわかりますよね。


 そういう専門的な用語は、小説ではあまり用いません。

 ボディビルでも書かないかぎりは。

 ざっくりとした部位だけでも、多彩な小説は書けるのです。

 虫垂など盲腸が炎症を起こしても、「虫垂炎」と書かず「右下腹部が痛む」と書いて「盲腸だった」とすれば済みます。




 では「胸部」を構成する五臓六腑以外はなにがあるでしょうか。

 「肋骨」がありますよね、ちなみに「肋骨」と書いてふたつの読み方があるのですが、ご存じでしょうか。ひとつは「ロッコツ」です。

 もうひとつは?

 一般的によく使いますよ。


 「みぞおち」と「みずおち」はどちらが正しいのでしょうか。より一般的なのはどちらでしょうか。


 「胸元をはだける」と「胸ぐらをつかむ」

 どういう違いがあるの?


 「鳩胸はとむねちり」はスタイル抜群なのでしょうか。不格好なのでしょうか。


 「おっぱい」についても「胸を隠す」と書き、「陰部」についても「前を隠す」と書きますよね。

 書き方によってはいやらしさの出る単語でも、言い換えてぼかしてしまう手段はいくらでもあります。

 たとえば「乳暈ニュウウン」がなんのことかわかりますか? 結びつかないからいやらしさを感じないはずです。


 「布袋腹」「太鼓腹」「三段腹」の違いはわかりますか?


 なにげなく使っている「バスト」「ウエスト」「ヒップ」もどこを周囲の長さを指しているのか。確実にわかりますか?


 これらの答えは次回です。

 少し頭を巡らせてみてください。


 この思索の時間で、あなたの語彙力は確実に高まっていきますよ。



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