第58話
☆☆☆
それからあたしとコウダイは具現化アプリのとりこになった。
でも決して自分たちでは使わない。
もっとミキコに使用させて、その結果どうなるかを確認してからでないと、とても手を出そうとは思えなかった。
そんな中、ミキコは次から次へと幽霊を出現させた。
見ていると、学校の七不思議を現実にしていっているということがわかった。
「七不思議か」
七不思議の6つめの写真をコウダイへ見せたとき、コウダイはなにか考え込むように顎をさすった。
「どうしたの?」
「七不思議って学校や地域によってバラバラだよな」
その言葉にあたしは頷く。
「似ているものも多いけど、少しずつ違ってたりするね」
「それに、七不思議を全部知ってしまうと死ぬっていう噂もある」
それも有名な話だった。
「あたしの学校では七不思議を全部見たり、体験すると死ぬって言われてるよ」
「そうか……」
コウダイはまだ考えこんでいる。
「なにを考えてるの?」
「いや……ミキコちゃんは七不思議のすべてを経験してるんだよなって、思って」
そう言ってあたしを見るコウダイの目は、またキラキラと好奇心で輝いていた。
その瞬間ハッと息を飲む。
コウダイが何を言いたいのかようやくわかった。
「ミキコが七不思議の八つ目になるのを見てみたいの?」
あたしの言葉にコウダイは頷いた。
「好きでもないミキコちゃんと2度もデートして、1日中メッセージもしてるんだ。そのくらい面白いことが起こってもいいと思わないか?」
コウダイの言葉にあたしは呆れてしまいそうになる。
コウダイは自分の好奇心を満たすためにはどんなことでもする。
もちろん、あたしとコウダイが別れたなんて嘘だし。
ミキコと付き合っているのも全部演技だ。
今までミキコがクラスメートにしてきたことを、あたしとコウダイでやっているだけだ。
「でも、学校の七不思議を八つにするためにはミキコに死んでもらわないといけない」
あたしの言葉にコウダイは頷いた。
「それで、いい案があるんだ……」
コウダイは身を乗り出して、あたしにその話を聞かせたのだった……。
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