第9話
《具現化アプリ》なんて聞いたことがなかった。
あたしは瞬きを繰り返す。
「今からみんなを見返してみない?」
ノドカの声が、頭の中で何重にもなって響渡ったのだった。
☆☆☆
ノドカが教えてくれたのは見たこともないサイトだった。
そこにアクセスすると《具現化アプリ》がダウンロードできるようになっていた。
「こんなところでアプリを取って大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。あたしもダウンロードしたけど、なんともないから」
少しの不安はあったものの、ノドカが《具現化アプリ》をダウンロードしているのはすでに確認している。
それなら安心だと感じて、あたしは得体の知れないサイトから同じアプリをダウンロードしたのだった。
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