第5話 500円玉
駅にはぽつぽつと人がいた。
切符を買わねばならないが目的地は決まっていない。
どこに行こうか。というよりどこに行きたかったのだろうか。
家を出たときにはぼんやりと浮かんでいたイメージがさっぱり整っていた。
そうか整うといえば温泉だ。
そう、温泉は少し前から入りたいと思っていたのだ。
あれは1ヶ月ほど前だろうか。
テレビで温泉について特集されていたのは、
ぼんやりとした記憶が蘇る。
温泉といえば熱海だろうか、
熱海まで電車で片道3時間近くかかるだろう、
チケットは2500円だ。
久々の小旅行だ
少し奮発してもバチはあたらないであろう。
私は千円札を三枚自動券売機に投入し
500円玉を受け取る。
500円玉は光り輝いて見えた。
まるでどこかの小学生が夏休みに宿題をやらなさすぎて、最終日に自由研究を硬貨の汚れを取る研究を急いでしたかのようか硬貨であった。
私は大切そうに500円玉を財布に入れ改札を通った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます