第4話 自分のせい

佳子と拓也が話しているのを見た春菜思わずその場から立ち去ってしまった。 


その日の夜裕也から電話がきた。


「たくや、今大丈夫?」

「うん、ちょうど風呂上がったところ。んで、話っ

 て何?

「あーうん。最近、春菜さんとなんかあった?」


少し黙り込んで弱々しい声で言った。


「え、なんで……」

「やっぱなんかあったんか、今日のたくや見ててさ

 春菜さんと喋ってるとき少し様子がおかしいと思

 ってさ」

「そっか……実は……春に好きって言われたんだ…

…」

「そんなことがあったのか……」

「それでどうしたらいいのか分からなくなってその

 場で話切りやめてしまって……」

「え?!何も返事してないん?!」

「うん……今日はもういいかな……少し疲れたまた

 明日話そうごめん……」


拓也はそう言い電話をきった



教室のドアが開く


「おはよう裕也」

「おはようたくや今日も早いんだな」

「あーうん最近目が覚めるのが早くてさ」

「そっか」


裕也はそう言い拓也に昨日の話しの続きをせず

勉強をはじめ教室は静まりかえった



朝のチャイムがなり先生が入ってくる


「はーい皆さんおはようございます。今日も1日

 よろしく!じゃー健康観察していくぞー」


先生は生徒の名前を呼びはじめる


「田崎春菜、田崎?あれ?休みか?」


拓也は心の中で思った


「春菜が休み……やっぱ俺のせいか……」


拓也は朝の会が終わると同時に静かに席を立ち教室から出ていった



〜昼食〜


「拓也?どうしたの元気なさそう」

「あ……佳子。ううん大丈夫だ少し寝不足なだけ」

「そう?きついなら保健室行ったがいいよ」

「うん。ありがとう佳子……」

「今日、春菜さん休みだね」


拓也は少しビックリした感じで苦笑いで言った


「え……春菜が休むって珍しいな……あはは……」

「普通の風邪とかならいいんだけどね」

「そうだな……大丈夫だよ……」

「じゃ、私委員会の集まりあるから行ってくるね」

「うん。行ってらっしゃい」


拓也は佳子がいなくなると机にうつ伏せになった



〜放課後〜


先生は白石を呼ぶ

「白石、ちょっと来い」

「あ、はい」

「お前、田崎の家に近いだろ。プリント持っていっ

 ていってくれないか?」

「分かりました。」

「ありがとう。頼んだぞー」


先生はそう言い職員室へ向かって行った


「はー気まずいな……」

「まー話したいこともあるし丁度いい」


拓也はそう言い春菜の家へ向かった


「ピンポーン、ピンポーン」

「はい、田崎ですけどどちら様ですか?」

「あ……あの春菜さんの友達の白石拓也と

 申します」

「え?!拓也くん?」

「あ、はい」

「久しぶりだね。上がって上がって」

「お邪魔します。今日は学校からのプリントをお

 渡ししにきました」

「わざわざありがとう」

「春菜さんは大丈夫ですか?……」

「それが……今朝から部屋から出たくないとか言い

 出して、出てこないんだよ」

「そうなんですか……今話すことは可能ですか?」

「ちょっと待ってて」


春菜のお父さんはそう言い階段を上がって行った


「春菜、拓也くんが来てるんだけど拓也くんが話せ

 ないっかって言ってるんだけどー」


春菜は小声で言った


「ごめん……今は無理……今日は帰ってもらって」

「春菜……分かったそう伝えとくね」

「拓也くんごめんね今日は話したくないみたい」

「そうですか……分かりました。すいません長々

 お邪魔して春菜さんには学校で待ってると伝え

 てください。お願いします」

「分かった。ごめんね春菜が迷惑かけて」 

「いえいえ、では失礼します」

「またいつでもおいで」


拓也は軽く頭を下げ玄関の扉を開け帰っていった


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