第2話 告白
春のお母さんが亡くなったことを知った拓也。その夜春の家で拓也のことが好きだと告げられる。
拓也は苦笑いで言った。
「好きって……またからかってるんだろ…」
「本当にたっくんのことが好きなの!!」
「春……今日は色々あって疲れてるんだよ。ごめん
俺帰るね。また明日……おやすみ」
拓也は静かに障子を開け出ていった。
「春のやつあんなこと言って……」
拓也はそう自分でいい顔を赤くした。
~次の日の朝~
「春にどんな顔して会えばいいんだよ……」
「たっくん!おはよう!」
「うわ!びっくりしたーおはよう……」
「たっくん元気ないよ?大丈夫?」
「大丈夫って……」
「あー昨日はごめんねたっくんに迷惑かけちゃった
ね」
「それは全然大丈夫だけど……」
「昨日言ったこと…」
「じゃーね私先教室行くからまたね」
春は昨日言ったことについて一切話さなかった。拓也は静かに歩きだし教室へと向かっていった。
「おはよう……」
「ん?どした?たくや元気ないなー?女にでも振ら
れたか?」
「んな訳ねーよ」
こいつは僕と中学からの付き合いである神崎裕也だ。
裕也とは中学の3年間ずっと同じクラスでいつも明るいクラスのムードメーカー的な存在だ。
「んじゃー何で元気ないんだよー」
「なんでもねーよ……1時間目なんだっけ」
「国語だよーん」
拓也はずっと心の中でモヤモヤしながら4時間目を終えた。
「たっくん、一緒にお昼ご飯たべよ!」
「春……うん。食べよ」
「私もーお腹ペコペコだよー」
「たっくんの席で食べていい?」
「うん。構わないよ」
「ありがと」
「いただきます!」
春は興味津々で裕也の弁当をのぞいた。
「たっくんの弁当茶色だー体に悪そー」
「そういう春はどうなんだよ」
「たっくん、びっくりしないでね」
「え?!すげー色とりどりだ。これ春が作ったん?」
「そだよ。お父さんの分も一緒に作ってるの。そだ
明日からたっくんの分も作ってきてあげよーか」
「またからかってるだろ。でも春の作ったご飯おい
しかったから食べたいな……」
春は顔を赤くして
「分かった……でも一つお願いがあるの……」
「ん?何?」
チャイムの音がなる
「やべ、あと5分しかないじゃん春その話また今度
聞かせて」
「うん……分かった」
「ごめんな」
〜放課後〜
「白石、今から職員室に来なさい。話しておきたい
ことがある」
「分かりました。すぐ行きます。」
「たくや説教か?」
「何も悪いことしてねーよ。じゃーな裕也。」
春は教室からでていく裕也をみて
「また話せない……」
先生からの話しが終わった裕也
「今日こそはスーパーの安売りに間に合いそうだ
な」
靴箱に向かう拓也そこには
「春?また待ってたのか」
「嫌だった?」
「嫌じゃないけど……」
「よかった。たっくんとお話ししたかったの」
「そっか……でも、今日はスーパーの安売りに行か
ないと……」
「じゃー私もスーパーの安売りに着いていく」
「え?……分かったあと30分しかないから急ごう」
拓也と春は走りだしスーパーへ行った
「これで全部だね。よし、行くよ春。」
春は小さな頃から好きなアイス売場の前に立っていた。
「春、好きなの1つ選んでいいぞ」
「本当!やった!ありがとたっくん!」
「やっぱ、カリカリ君か」
「カリカリ君しか勝たん!」
〜スーパーからの帰り道〜
「春、アイス溶けちゃうから今食べな」
「うん。ありがと」
「すっかり遅くなっちゃったね」
「ごめんね、こんな事に付き合わせちゃって」
「私が行きたかったんだからいいのー」
「じゃー俺こっちだから……また明日……」
春は黙り込んだ
「話は明日聞かせて欲しい。今日は食品とかあるか
ら早く帰らないといけないからさ……」
「うん……分かった……また明日たっくん」
そして拓也は曲がり角を曲がり春は一人になった。
「明日こそたっくんに話さなきゃ」
春はそう言い一人で寂しげに帰っていった。
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