第190話 群青のアステル ~煌めく星々~



「父上.....」


「..........」


 パスカールの前には、豪奢な部屋のある塔の最上階に監禁されたクラウディア王。

 彼は、どんよりと落ち窪んだ眼差しで息子を一瞥すると、興味もなさげに視線を外した。

 いつもなら烈火の如く怒鳴り付けてくるであろうはずの父親を訝しげに見据え、パスカールはチラリとオーギュストを横目で見る。

 その視線から何かを察し、老人は難しい顔で溜め息をついた。


「血気逸るものがおりまして。元国王陛下は二度ほど死線をさ迷いましてございます」


 聞けば、捕らえられたクラウディア国王は若手の騎士らに斬りつけられたのだという。


「まごうことなき後の厄災っ! 今ここで断ち切っておかねばっ!!」


 オーギュスト達が庇ったものの、勢いをつけた獰猛な複数の得物に狙われたクラウディア王は、数十ヶ所を切られ、突かれ、瀕死の怪我を負わされる。命があっただけ儲けモノだった。

 瀕死の重傷でも生きてさえいれば魔法を覚えた治癒師が癒してくれる。

 無表情な治癒師。誰にも平等な治癒師すら、この男を癒すのは業腹なのだろう。

 押さえつけられた若者達は、射殺さんばかりに獰猛な眼をギラつかせ、唸るように癒えた国王を睨めつける。


「何故に止めるのですかっ!! この男が何をやったか.....っ! この先、何をやるかっ!! パスカール様の御代に遺恨の種を残すあやにくとなりましょうっ!!」


「なにとぞっ、何とぞ我等に騎士の本懐を.....っ!」


「後生でございますっ! カルバドス様っ!!」


 煩悶に歪む騎士達の顔。


 その気持ちはオーギュストにも痛いほど理解出来た。オーギュストですら、それが脳裏を過った程だ。だがその時は今にあらず。


「まだ国王陛下だ。.....今はな。そなたらの一族郎党に咎がかかるだろう。パスカール様はそれを一番望まない」


 言われて押さえつけられた騎士達の眼が大きく見開く。その揺れる瞳に正気が宿ったのを確認して、オーギュストは安堵の息をもらした。

 戦の空気が彼らを昂らせたのだろう。騎士の本分は王を諫めること。首を刎ねるのはそのオマケだ。

 過去にも、そこまで至った例は数える程しかない。結局は王家の立場を重んじて幽閉が関の山なのである。

 そしてそれは、パスカール様にとって必要な事なのだ。

 鷹揚に頷く辺境伯らを凍てついた眼差しで凝視し、クラウディア国王は抵抗する気概を根こそぎ抜き取られた。


 本気なのだ。本気でワシを殺そうと.....っ!


 あらゆる得物で斬りつけられ、息も出来ぬほど立て続けに食らった激痛を思い出して、国王は背筋を震わせる。

 周りに立ち込める多くの殺意に気がついたのだろう。冷ややかな数多の視線に絡め取られ、クラウディア国王は力なく頽おれた。


 ある意味、僥倖。青を通り越して真っ白な顔になってしまった国王を引っ立て、オーギュストはしたり顔でほくそ笑んだ。


 そんな話を軽く説明し、老辺境伯は国王の処分を口にする。


「ここにこのまま蟄居していただくのが宜しいかと」


「幽閉でなくっ? それは.....っ!」


 思わず眼を見開き、パスカールは萎れる父親を見つめた。

 幽閉なら人としての生活が保証されている。給仕のついた食事も湯あみも出来るし、過ぎた要求でなければ差し入れも許されていた。人間として尊重される。

 まあ、幽閉する側の判断で大きく変わりもするが。

 だが蟄居は違う。人として最低限の生活しか許されない。与えられるのは食事のみ。湯あみや着替えも許されず、差し入れも面会も許可されない。

 高い塔の最上階で寒さも凌げず、病を得ても医師は来ない。

 ただ生かされているだけ。それが蟄居だ。


「それに見合う愚行を行いました。騎士らに本懐を覚悟させるほどに。忙るることはありませぬ。皆で話合いもうしましょう」


 この短期間ですっかり老け込んでしまったような父親に固唾を呑み、パスカールは小さく頷くと塔を後にした。

 よろよろ歩く主を支え、エトワールが心配そうに自室へと連れて行く。

 それを見送りながら、オーギュストと共に城へ上がった冒険者がくぐもった声で呟いた。


「脆くねぇか? こんなん当たり前なんじゃねぇの? 王侯貴族ってさ」


「パスカール様は違うのだよ。あの方の良いところであり、悪いところでもあるな」


 炯眼に眼をすがめ、オーギュストはパスカールと暮らした日々を思い出す。


 何にでも共感し、心を寄せてしまう情の深い性質。それは自分を虐げた父親相手でも変わらないのだ。

 戦う覚悟を決められたはずだが、その覚悟の中には、父親を貶め罰する覚悟はなかったのだろう。

 この状況は形として簒奪に近い。周囲が望み、民が望んでいるから、実際には解放であるのだが、だからと言ってパスカールの罪悪感が薄れる事はない。

 これ以上の蹂躙を幼い主は決意出来るだろうか。


 ふうむと顎を撫でて思案するオーギュスト。


 これは難題だと思われた。粛正を行うならば、一気に徹底的にやるべきだ。その恐怖が後の憂いを払う。

 だが、今のパスカールに無理はさせられない。思わぬところで発覚した彼の弱さ。

 オーギュストは良くも悪くも貴族である。民を守るという矜持を持つ反面、相手を心胆寒からしめる粛正の有用性も熟知していた。


 どうしたものか。


 そんなパスカールの周囲の人々の懊悩は、思わぬ人物により払拭される。




「父上が蟄居? ただの? 隠居や永劫でもなく? 良かったじゃないか」


 にっこり微笑むのは兄である王太子。彼は国王に恭順していた罪により幽閉となる予定だった。

 王太子を国王にするつもりのパスカールは狼狽したが、さすがにクラウディア国王と共に浪費を尽くし、専横を働いた罪は軽くない。

 民らへのしめしもある。主要な王族には、それ相応の罰が与えられた。

 だが幽閉だ。こうして面会も出来るし、不自由のない程度の差し入れも可能。


 やってきたパスカールの絶望的な顔に驚き、王太子は慌てて抱き締め椅子に座らせて話を聞く。

 そして瞠目し、なーんだ、と顔を和らげた。


「罪に罰は当たり前だろう? 死にたいと言い出したら毒杯でも差し上げれば良い。何が問題だ?」


「だって、父上ですよ? 自分の親を見捨てるなんて.....っ!」


「先にそなたを見捨てたのは父上だよ? 既に他人みたいなものだろう? 問題は何処だ?」


「それは..... でも、人間を虐げるなんて」


「父上は多くの人々を虐げてきたよ? 獣人らの扱いなんて外道そのものだった。私もだがね。だから、自分の行いが返ってきただけだ。.....問題は何処だい?」


「問題は.....」


 真摯な眼差してパスカールを見つめる王太子。その凪いだ静かな眼差しに焦燥を絡め取られ、みるみるパスカールの思考がクリアに澄み渡っていく。


 父上は因果応報。誰もに惨めな余生を望まれるような人生を父は歩んできたのだ。それが許される地位にいた。その地位を失えば、間違いなくただの罪人である。


 .....問題はパスカールの心だった。


 己の弱さの発露を人道にすり替え、正当化していただけ。今まで踏みにじられてきた被害者らに対する、とんでもない裏切り。


 パスカールの愕然とした顔から、弟が己の葛藤をごまかしていた事を自覚したのだろうと察し、王太子は小さく頷いた。


「人は弱いものだ。欲望、嫉妬、葛藤、悲哀。あらゆるものに惑い、嘆き、さ迷う。それは悪い事じゃないさ。でもね、私達は王族だ。民や周囲に絶対の権力を示さなくてはならない。父上は、その示しかたを間違えた。民の怨みを買った。それだけさ」


 従来であればそれが正しかった。当然の権利だった。だが時代は移り変わり、クラウディア国王は、その急激な変化についていけなかったのだ。

 大きく変わり始めた時代の節目に、老いた国であった事。それがクラウディア王の不幸だったに過ぎない。


 フロンティアに関わるという幸運を得たのに、頑迷に変わろうとしなかった父親の自業自得なのである。

 通常であれば為政者として疑問を抱き、調べ、答えに辿り着けるチャンスを自ら棒に振ったのだ。

 上手くすればカストラートやドナウティルのように、小人さんの支援を得られたかもしれないのに。


「そなたは優しすぎるね。誰にでも優しすぎる。それでは国王はつとまらないよ?」


 優しく頭を撫でる兄を見上げ、パスカールはぐっと唇を噛み締める。


「僕は兄上を王にしたかったのに.....っ! 兄上は何もしていないではないですかっ!!」


 パスカールが兄を王にするつもりだと仲間に話した途端、嵐のような反論に見舞われた。


「馬鹿を仰いますなっ!! 王太子でありながら何もせず、愚王を増長させた兄君をっ?! 国王と共に散財し、国の財政を傾けた御仁が王などになったら、今回の飢餓で儚くなった者らに顔向け出来ませぬっ!!」


「阿保ぅか、あんたはっ! あんたが王になると思ったから俺らはついてきたんだぞっ?!」


「民らをたぶらかして、期待させておいて、どう申し開きするんです? パスカール様だからこそ、フロンティアも手を貸してくれたのです。森の主達も然り。また、クラウディアを路頭に迷わせるおつもりか?」


 王太子という責任ある立場にいたのに、何もしなかったのが罪なのだと声を揃える仲間達。


 その通りだ。パスカールにだって理解は出来る。だが、理性が納得しても感情が納得しない。


 捲し立てられる彼らの言葉で、初めてパスカールは、己に望まれているモノを把握した。そして戦く。


 僕が王に.....っ?!


 突きつけられた現実からの逃避もあったのだろう。王太子の顔を見た途端にパスカールは年相応な子供に戻っていた。

 キャン×キャンわめきたてる弟を仕方なさげに見つめ、兄王子は諭すように囁いた。


「そなたは王になりたくないのか?」


「そうじゃなく、兄上になって欲しかったのですっ!」


「私にその資格はない。何もしなかったのだから。そなたなら分かるだろう? 残る王子はそなただけだ。逃げても良いのだぞ?」


「は?」


 するりと表情が抜け落ち、すっとんきょうな顔の弟の鼻を王太子が突っつく。


「そなたには森の主がおろう。フロンティアも協力してくれよう。いくらでも逃げる術はあるではないか」


 玉座から逃げる?


 王になりたくないのか? 僕は.....?


 神妙な面持ちのパスカールを見る王太子。その眼は限りなく優しいが、何故か眼窟に燻る愉快な光。

 さも面白そうに見つめる王太子の視界のなかで、パスカールは真剣に悩んだ。


 政は嫌いでない。むしろ民のためにアレコレ考えるのは好きだった。領地が豊かになり、人々が明るく楽しく暮らす光景を見る度に胸が高鳴った。ワクワクした。

 クラウディア王国を離れようなどと考えた事はない。少しでも力になりたい。自分に出来る事を力一杯やりたい。


 パスカールの脳裏に浮かぶのはオーギュストを筆頭とする仲間達。ここまで苦楽を共にし、悩み苦しみ笑いあった人々。

 少年の中に、ぶわりと明瞭な空が拡がる。多くの者達が煌めく紫紺の大空が。


「.....答えはとっくに出ているんだろう?」


 すきっと晴れ渡った顔の弟を眺める王太子の眼が、眩しそうに細められる。


「.....はい。僕は、この国と共にありたいです。一生涯」


「だろうな。そなたが私を王にしたい理由も、薄々は感じていたしな」


 あらためて考えを整理し、無意識だったソレにパスカールも気づいたのだろう。真っ赤に顔を赤らめ、頭から湯気をたてた。


「フロンティアの王女殿下は手強そうだ。頑張れ、パスカール」


 にまっと笑う兄王子をポカポカと子供殴りしつつ、パスカールは情けない声で唸るように呟く。


「兄上が王になってくれたら、僕は何の憂いもなく婿入り出来たのにぃぃ~っ」


 微笑ましい兄弟の一幕を境に、パスカールは王となるべく歩き出した。


 こうして悲喜交々を織り混ぜ、パスカールは王位に就く。


 半年後に行われた戴冠式に招かれた小人さん。彼女は千早と共に彼の晴れ姿を満面の笑みで見つめていた。

 壇上のパスカールが出した玉令は各領地の自治権。税を納める領地は自由裁量を持ち、民に還元するよう定めた。


 ここでもまた、民に権利を生む玉令がなされたのである。


 時代が動く。世界が変わる。


 確かな手応えを感じ、小人さんは眼を煌めかせた。


「.....そして、ここに私は恩赦を発動する。我が父である前国王を蟄居から幽閉に。兄である元王太子を幽閉から自由民に。刑を減じる」


 ざわりと空気が蠢いた。


 民らからは紛れもない厭悪憎悪が漂い、周囲の臣下達からは何とも言えない困惑が窺える。

 それに苦笑し、パスカールは声高に叫んだ。


「これは私の我が儘だ。御二人は半年にわたり刑に服した。私が心安らかであれるよう、皆に頼みたい。二人の罪を目こぼししてやってくれ。無罪放免とは言わない。ほんの少し緩める事を許して欲しい。御願いだ」


 壇上のパスカールは首筋が見えるほど深々と頭を下げる。


 慌てた臣下らが駆け出すと同時に、集まっていた民衆が、ひゅっと喉を鳴らし、悲鳴のような声を上げた。


「頭を上げてくだせえっ!」


「そんな、畏れ多いっ! パスカール様の宜しいようにしてくださいませっ!」


「そうだ、誰が文句を言うものかっ!!」


 わあわあと慌てた民らは、口々にパスカールへ頭を上げてくれと懇願する。

 先ほどまでの厭悪憎悪は何処へやら。必死になって新たな王に叫ぶ人々。


 王族中の王である国王が民に頭を下げるなど前代未聞だ。駆けつけたオーギュストやエトワールも何が起きたのか分からない形相で眼を剥いている。


「いったい何をなさっておられるかっ!」


「王が頭を垂れるなどあってはなりませぬっ!」


 無理やり身体を起こさせた二人の耳に絶叫が響いた。民から起きる怒濤の声援。嵐のような拍手。雪崩起きた歓声が物理で大地を揺らしている。


 熱気の坩堝となった人々の笑顔が、パスカールにその意味を知らせた。

 良いのだと。パスカールの思う通りにして構わないと。


 パスカールは軽く瞠目し、次にはくしゃりと泣き笑いのように破顔する。


「ありがとう、皆。私は皆を守る良い王となるよう努力しよう。約束するっ!!」


 再び頭を下げようとするパスカールを必死に押し留め、オーギュストとエトワールは彼を壇上からテラスに引きずり込んだ。


「貴方と言う方はーっっ!!」


「いいっ! 早くお連れするのだっ!!」


 こうしてなし崩し的に戴冠式は終わり、幽閉となった父親は半年ぶりの湯あみに涙する。


「パスカールが..... ワシはいったい、何を見ていたのだ」


 いまさらな後悔に溺れ、元クラウディア国王は、ようやく今までの己を心から悔いた。


 沸き上がる憤怒や呟く呪詛は一ヶ月も続かなかった。あまりに違う惨めな環境に置かれ、虚勢を張り続けられるほど人間は強くはない。


 二ヶ月もすれば泣き言がまろび、食事を差し入れる宮内人らにすがり付いた。


 ここから出してくれと。自分が悪かったと。彼が王としてのプライドなどかなぐり捨てても、宮内人らは醜悪なモノを見るような眼で一瞥するだけ。


 何ヵ月もたち、秋が深まり、寒さが刻々とにじり寄ってきた。ヒタヒタ忍び寄る、分かりやすい死への恐怖。

 蟄居の悲惨な暮らしが、元クラウディア国王から自尊心も矜持も何もかも剥ぎ取り、ただの丸裸な人間に戻したのだ。

 何も持たぬただの人間。それも罪人と言う最底辺に成り下がって辛酸を舐めた彼は、人としての心を取り戻す。


 そこに訪れた思わぬ幸運。これを素直に感謝で受け入れ、元国王はしとどに濡れた。


「パスカールの御代が安寧であるよう祈り、ワシは静かに暮らそう」


 その小さな呟きが覆される事はなく、彼は歴史の片隅に埋もれ、パスカールのみに看取られて短い余生を終える。




「兄上はどうなさるのですか?」


 自由民となり平民に落とされた王太子。ある意味、王侯貴族にとっては幽閉よりも重い罰にもなる。

 何不自由ない贅沢な暮らしをしてきた者に生活力など皆無だ。貧民に落ちぶれ、病で早世する者も少なくはない。

 王太子の場合、幸運な事に従事してくれる者が名乗りをあげてくれた。さらにはパスカールから多額の金子。それとフロンティアへの紹介状が渡され、通常なら数年は困らない程度の便宜がはかられる。


「困ったら何時でも帰ってきてくださいね。僕の側仕えでも、側近でも席を用意しますから」


「パスカール様。それでは罰の意味が.....」


「何年もたてば皆忘れてるよ、うん」


 至極真面目な顔の弟に苦笑いしつつ、元王太子は荷物を自分で抱え、すくっと立ち上がった。


「フロンティアの劇場劇団とやらを訪うてみようと思っている。.....俺は吟遊詩人になってみたいんだ」


 にっと悪戯げに口角を上げ、鋭い眼差しで笑う王太子。

 宮内人にして昼行灯などと呼ばれていた御仁には似つかわしくない表情に、パスカールの周囲も息を呑んだ。


「素敵ですねっ! 絶対、見に行きますっ!」


 周囲の困惑に気づきもせず無邪気に眼を輝かせる弟の髪をかき混ぜて、元王太子は軽く手を振り、馬で出発する。


「俺って..... 仰いましたね?」


「吟遊詩人だと.....?」


 変貌した兄王子を呆然と見送るパスカールの仲間達。




 後にフロンティアでその名を轟かす稀代の吟遊詩人、オデールの最初の一歩であった。


 ちなみに彼のデビュー曲は《群青のアステル~星の王子様~》この戯曲を作ったのが、他ならぬパスカールの兄であることは一部だけの秘密だ。


 後日、兄の初舞台に駆けつけたパスカールが、己を題材とした戯曲に頭を抱えたのは言うまでもない。


 知る人ぞ知る、稀代の吟遊詩人オデール。彼が実は地球からの転生者だったのだと小人さんが知るのも永遠を得てから。


 周りを全て騙くらかし、彼は順風満帆で愉快な生涯を終えた。


 煌めく流星パスカールの陰で暗躍したオデールの存在は、未来永劫、人々の誰にも知られない。


 鏤められた星々に彩られ、今日も群青の深みに新たな星が生まれるアルカディアであった。



 二千二十二年 六月 十三日 脱稿

        美袋和仁。



~あとがき~


 はい、御粗末様でした。


 これは本編に直接的には関係のない物語だったので書いていなかったのですが、多くの読者様からパスカールの話が気になると感想をいただき、書き起こしました。


 お読み頂いたとおり、小人さんの出番は殆どなかったんです。なので、はしょってしまったエピソードです。


 皆様に求められねば、生まれなかった作品ですね。ありがとうございます。


 これにてパスカールの物語は終わりです。最後までお付き合いいただき、心からの感謝を。あとはエピソード数話があります。それを載せたら終了です。

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