第2話 アマテテラス×転校生
「よ、よろしくお願いします!!北中学校から転校してきました。
私はそう言って頭を下げる、いつもとは違う道を歩いたし、いつもとは違う校舎に入って、いつもとは違う人と会う、緊張しすぎて、ほとんど聞こえていなかったと思う。そのまま俯いてしまう。
「ねぇねぇ!!天崎照さん!あかりちゃんって呼んでいい?それに北中学校って遠いよね!どんな所なのー?教えて教えて」
前の席に座っていた女の子が不自然なくらい大きな声で質問してくる、私は戸惑ってしまう。また何も言えず俯いてしまった、そして先生に指示されるがままに空いている席に向かう。きっと最初の自己紹介にしては最悪だっただろう。前の学校でも中学校に上がったタイミングで違う小学校から来た子に上手く話せなくて、クラスでは目立たない方だった、ほんとは色んな人と話したいのに、そう思っていると朝の会が終わった。
「ねね!あかりちゃん!」
さっき大きな声で話しかけてきた女の子だ、それを皮切りに私はなぜか大勢に囲まれた、聞こえていなかったはずなのに名前はもちろん、前いた中学校のこともみんな把握している。なんでだろう、と思ったがすぐに分かった。
「
どうやら、あの子は千夏というらしい、そして前でぎりぎり私の自己紹介が聞こえた千夏は後ろまで聞こえるようにわざと不自然なくらい大きな声で繰り返していたのだ。
「千夏ちゃん、ありがとう!」
「べ、別にいいのよ、そんな感謝されることしてないし!」
私はどうやらまだ、終わっていないらしい、今度はちゃんとした声で話せた。早く皆と仲良くなれるといいな。
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