神様の日常
しのののめ
第1話 イザナギ×イザナミ×双子姉妹
「お姉様、起きてください」
まだ、寝ているお姉様のことを起こす。今日は休日だけど、したいことがあるから早く起きてほしいのだが、なかなか起きない。困り果ててしまった私は躊躇いながらも思い切って布団を奪い取る。
「うわあああああああああ!!さっぶぅ!」
さっきまでぐっすりだったのが嘘のように飛び起きる、すっかり目が覚めたそうで私は嬉しくなった。
「あ!起きましたかお姉様、今日は久しぶりに島を作りたいのですが!連れてってくれませんか」
「え、そんな、ワクワクって感じでこっちを見られても、無理だよ、アメノヌボコはずっと倉庫に置いてるし。埃被ってるだろうから、洗わなきゃだよ」
お姉様はそういっているが、きっと準備してくれるだろう、お姉様はそういう人なのだ。
「それでは、お姉様!朝ごはんを作るので着替えてきてくださいね!」
「あれ、え、話聞いてたかな、おーい!美波ー!ってもう、聞いちゃいないか……」
「あ、やっと起きてきた!ちょっと待ってね、あと少しで目玉焼き出来るから」
お姉様は料理が少し苦手で真っ黒な物質を作ってしまうから料理は私が作っている、まぁ私としては全然お姉様が作った黒いものも美味しいからたまには作ってほしい。そう想ってるとお姉様が心を見透かしたように言う。
「美波ー、絶対ご飯は作らないからな、そんな目でこっち見んな、てか、また自分で炎出して料理してんの?」
そう!私は炎を出せるのだ、これは私がイザナミである証拠、神性から来るものなのだ、他にも空を飛んだりもできる、ちなみに、お姉様はそういうことはできないが、出会いを司ってるとか言っていた、確かにお姉様は男女問わずモテるが。それを出会いを司ってるとは、言えるのだろうか?
「——――おい、渚!!おい!」
考え事ばっかりしていたら、どうやら火力を上げ過ぎてフライパンからとんでもない火があがっている。慌てて手を放してしまう、フライパンは火を上げたまま、床に落ち、床にも火の手が上がる、大変だやってしまった、ガスコンロで料理をしていたらこんな事にはならなかった、お姉様に迷惑をかけてしまう。
「美波ーー!!ちょっと我慢しろよ!」
お姉様がバケツ一杯の水をこちらに向かってかけ、途端に火は消える、そう、忘れていたが、お姉様はイザナギ、無から有を創り出せるのだ、途端に火は消えた
「大丈夫か?美波、冷たかったよな、ごめんな」
お姉様が、急いでタオルを持って、濡れた私に、駆け寄る
「ごめん、お姉様、私、考え事してて、気付かなくて、それで、それで、、」
私は、お姉様に迷惑をかけたこと、心配をかけてしまったこと、色々こみあげて、泣きそうになってしまう、そんな私を抱きしめて渚は言う。
「大丈夫、どうせ美波のことだ、俺の事でも考えてたんだろ?いいよ、美波が無事なら」
お姉様はやっぱり出会いを司っているのかもしれない、妹の私でさえドキッとしてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます