第10話明るくなる4
あらぬ疑いを受けながらも授業を終え、購買で買ったパンを食べ始める
「よぉ冷!俺も一緒に食っていい?」
「俺も、じゃなくて、俺らも、も間違いだろ」
「なによ、私がいたら嫌なの?」
「別に構わないけど」
この荒木の横にいる少しギャル味のある明るい髪に校則違反ギリギリの制服の着こなしをしている女は、高月 葵(たかつき あおい」いわゆるクラス一軍の陽キャ、荒木とよくいるイメージがある。
誰でも分け隔てなく話す荒木とは違って高月は俺ら陰キャとは関わりがない、だから荒木と一緒とはいえ少し驚いた。
「ならいいでしょ」
そうして荒木の横に座った。
「そういえば今日は一段と眠そうだけどどうした?数学の時も注意されてたけど」
「こいつ、いつも眠そうにしてるしいつも通りに見えるけど」
「確かにいつも眠そうだけど、今日はいつもよりボーッとしてる、、、気がする」
「そうか?まぁ気にしないでくれいつもより寝不足なだけだ」
「そうか、でもその後の難問、あれよく解けたな俺全然わかんなかったよー」
「流石に偶然だよ」
そんな感じに会話しながら昼食を取る
「葵何聞いてんの?」
「ん、」
スマホの画面を二人に見えるように見せてくる。
「あ、これしってる!去年だかに流行ってたやつ」
「そうそう!私ヘイトが推しなんだ」
「そうなんだ、凄いいいよねー、冷は知ってた?」
「あぁ名前くらいは」
「マジでいいから聴いてみて」
「暇な時にでも聞いとく」
午後の授業も終わり帰路に着くいつも通りイヤホンを付けて歩きながら長く全く変わらなかった家庭環境の変化に頭を巡らす。
妹と母かいや義妹と義母か、今週顔合わせをしたとして何が変わるんだ?まさか急に一緒に住めとかならなったら流石に面倒だ、確か由香子さんは父さんと仕事の関係で出会ったと聞いてるから由香子さんも父さんと同じで一つの場所に留まらない仕事の可能性はある、だが妹とやらはどうだ?俺と同じように一人暮らしなのか親戚にお世話になっているかとかか?...考えても仕方ないか。なるようになるか。
この日は風が強く開けっぱなしのドアから入ってくる風で綺麗な金髪が靡いていた。
不安そうな顔で、少し前にでて口を開く
「みりあです…よろしくお願い、します」
そう震えながら言い終えた。
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