第8話明るくなる2
「、、、再婚することにした」
…………
「再婚することにした」
「いや聞こえてるから..」
「でも再婚かぁ」
冷は天井を見ながら呟く
視線を父さんに合わせて口を開く
「母さんは?」
その言葉には父も恐怖を覚えるほどの迫力があった
「分かってる、母さんのことを忘れたわけじゃないし、母さんの事も考えた上で決めたんだ」
二人の目が合う
………
ほんの数秒、とてもとても長い数秒の沈黙
「そっか…相手はどんな人なの?騙されたりはしてない?」
冷の雰囲気は元に戻り、父さんも安心した顔つきになる。
「仕事の関係で出会った人でな、名前は由香子さん、由香子さんも昔家庭環境で色々あった人でな、そこで悩みとか苦労を話しあっているうちにって感じだな」
「そうなんだ、一応言っておくけど、その人と仲良くやれるかは分かんないからね」
「あぁ、それは俺も由香子さんも分かっている、だがうまくはやってくれよ?」
「そこは大丈夫、俺も高校生なんだし、下手に避けたりとか、目の敵にしたりはしないから」
「まぁ冷ならそこらへんは問題ないか」
「で、由香子さんの家庭の事情とやらには触れない方が良い?」
「そうだな、由香子さんの方も、もう乗り越えてはいるが、積極的には触れない方がいいことには間違いないな」
「分かった」
「知らずに触れてしまうかも知れないし、冷には話しておくか」
そうして父さんから由香子のことを聞いた。
どうやら由香子さんは元夫にDVを受けていたらしい。その元夫はもう警察にお世話になっているそうだが、何度も暴力を受けてトラウマになっているらしい。
「冷には悪いがこっちの事情も軽くだが話している、すまん」
「それは別にいいけど」
「それでまた来週も空いてるか?顔合わせとかも早めにしときたいんだが」
「大丈夫、そうなると掃除とかしないとか」
「別にそんな汚いか?かなり綺麗に見えるが」
「最低限はやってるけど、細かい所は面倒でやってない」
「そうか、あんま気にならないがな、まぁ来週は頼むよ」
そうして父さんは立ち上がり玄関に向かう
「もう行くの?」
「あぁ今日は午後から仕事だよ」
「そうなんだ」
別に親子で見送りする必要もないのでそのまま座っていると冷のスマホがなったメールを開くと
「は?」
思わず声が出てしまった。
メールには「言い忘れていたが、妹ができるぞ」と、とても重要なことが書かれていた。
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