ほどほど

シヨゥ

第1話

 頑張れば報われる。なんてことは実はなかったりする。頑張りから得られるものなんてそう多くはない。

 頑張っている時間というのは力を使って走っている時間と同じだったりする。頑張りから得られる純粋なものは疲労感しかありえない。じゃあなぜ頑張れば報われるなんて言われるのか。それは言っている本人が勘違いをしているからだ。

 頑張って報われた人間はきっと力を使って走りきった時に体に巻き付いていたり、無意識に掴んだもので成功している。それは運であり、本能的な才能である。つまり頑張りはほぼほぼ関係ない。関係があるとしたら走っている距離が長いことによって、それらに出会う可能性が少し上がるくらいだろう。


 「頑張り」は「排出率が分からないガチャ」である。これが僕の持論だ。

 排出率がわからないガチャに人生を消費して挑むなんてなんてバカバカしい話だと僕は思う。それなら本でも呼んで勉強していたほうがまだマシだ。

 この考えにたどりついてからほどほどを心がけている。

「これからほどほどにしか頑張らないので」

 そう宣言したあの日から肩の荷を少しずつおろし始めた。はじめは混乱したまわりも今では落ち着きを取り戻している。

 頑張らなくても回る世界を感じて、これまでの時間なんだったのかとむなしくもなるが、それ以上に自分の時間が出来たことが嬉しい。

 この浮いた時間を何に使おうか。やりたいことが頭の中でぐるぐる回っている。もちろん頑張らない方向で使いたい。ほどほどが一番なのだ。ほどほどに頑張るぐらいの気持ちじゃないと、人生を踏破するのは無理。そう思うのだ。

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ほどほど シヨゥ @Shiyoxu

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