2.ルミの想い
悪友との電話を切った。
子機をもって一旦、休憩だ。
「大変かぁ」
ルミだって働いている。
パートとしてではあるけれども、
仕事の大変さは理解している。
女性のパートだと
人を管理することまで求められることは多くない。
社歴が長くて、
できる人なら任せられるかもしれないが
ルミには該当しない。
しかし旦那は違う。
正社員として統括することも多い。
人も、物も、システムも。
思考としては理解できる。
しかし、妻として贅沢な願いなのだろうか。
記念日一つや二つ覚えていてほしいと思ってしまうのは。
アレルギー体質の旦那のために日々きれいに保っている我が家。
キッチン、リビングダイニング、
そして寝室。
できるだけ埃をなくし、
カビと戦う毎日に追われる。
旦那の在宅時間はどれくらいだろうか。
私より少ないことは確実で、
5時間あればいいほうだろう。
「私と仕事どっちが大切?
って学生かって感じだよね」
冷蔵庫を開けてに取るノンアルコールビール。
一人で乾杯。
片手でスマホを捜査してSNSを開く。
「寂しいわ」
同年代から祝ってもらえましたの数々。
誕生日、結婚記念日、クリスマス、元旦、節分。
お祭り好きな夫婦はハロウィーンまで様々。
私の家庭はそんなイベントをするほど余暇を持っていない。
「さすがにうらやましいわ」
時刻は夜の11時56分。
帰宅のあいさつはまだない。
「嘆くよりやることあるよね。とりあえずやってみますか」
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