5話
それからすぐに冬休み。
美紗は何事もなく過ごしていた。
冬休み中もサッカー部は練習があるのか会うこともなく美沙は過ごせた。
冬休み明けた1月。
朝練も拓斗の登校時間でもないであろう時間帯を見つけたのだ。
会わないようにと願いながら登校しているので快適な生活とは言えないだろうけれど。
「おはよ」
「めずらし。校門の外であうなんて」
「今日寝坊しちゃって。寒いよね」
しかしクラスは違えど同じ学年で隣のクラスともなればどうしても避けられない時間ができてしまうものだ。
たとえばクラス対抗の球技大会であったり。
「今日の大会、大丈夫そう?」
「平気だよゆあな。6時間目のことだし。
だってアイツなんて……ぁ」
すれ違ったのは一瞬だけ。なぜなら彼は彼の友達とバスケの練習。
どうやら朝練みたいなことをしているようだ。
無意識なのだろうが美沙の目は通り過ぎた彼を追う。
「拓斗クンいたね」
「そうだね……」
「もう始まって一週間だよ。いつまで未練がましくしてるわけ?」
「知らないし。勝手に反応するんだからっ!」
美沙はゆあなの腕を叩いて先に行ってしまった。
「まったく。――意地っ張りは関係を壊すもとなんだよ」
暗い言葉の意味をしるのはもう少し先のこと。
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