2話

☆☆☆

 拓斗side

 電話を切ると


 通話時間が表示される。

 2時間13分。

 美沙、泣いてたな。

 俺なにやってんだか。

受験に備えてってのは美沙を納得させるための口実。


 ホントは美沙が一番なんだ。

勉強とか部活とかいろいろあっけど、できるだけ一緒に居たいのが本心。

 だけど由香って女がうるさいんだ。

 付き合ってくれってさ。

 挙げ句の果てに

「受けてくれないなら美沙の安全は保証しないよ」

 って言ってきた。


 マジで勘弁して欲しいっての

 口先だけだろうって

 無視してたら

 美沙のヤツ

 腕に包帯してたんだ。


 料理してたらうっかりしてた

 とか笑ってたけど……ほんとかよ。

 自慢じゃないが、俺はモテるほうらしく小5から高校入学までに告白人数20人くらいいたしな。……正確な人数なんて知らないし、ファンクラブみたいなものもあったらしい。

 よく美沙は周りの女子に絡まれていたっけ。


 俺はこれ以上

 側にいてはいけない

 と思ったんだ。


 嫉妬に狂った女が何をするか

 予測不可能だってことを

 俺はよく知ってるから。

 陰口だって、物を落としたり壊したりすることに

 罪悪感すらない奴だって大勢いる。

 美沙に何かあってからじゃおそいから。

 

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