第三部第一章 お暇なら来てね
*第109話 こんなの初めて!
「ねぇ~サリーちゃ~ん、もう良いんじゃなぁ~い?」
「だよなぁ~5200年以上だぜぇ。」
「もう本番は始まってるんでしょう?」
モスクピルナスの泉では第5233回目の精霊会議が開かれていた。
「そうねぇ、世界も随分と変わったし、
伊予ちゃんの子孫達とも会いたいわね。」
四始祖の血脈が残っているのは伊予の血筋だけである。
但し、ちびっこ伊予ちゃん達の血統だが。
「此処に居るのも飽きちゃったぁ~」
「新しいパートナーが欲しいっ!」
「平凡なお友達と出会いたいわ。」
管理者権限の発動でムーランティス大陸は封印された。
契約者のいない彼女達も活動を停止していた。
「封印を解いた方が活性化するんじゃなぁい?」
「あっちもそろそろマンネリだろう?」
「申請してみたらどうかしら?」
「そうねぇ、ダメ元で申請してみるわね。
・・・通ったわ!」
観念世界は仕事が早い。
「よっしゃぁ~!!」
ヤンキーモモがロックスターの様に片足を岩に乗せて拳を突き上げる。
食い込みパンツが丸見えでエロい。
「平凡なお友達、平凡なお友達。」
ミサはウキウキが止まらない。
「外の人達ぃきっと
笑顔のルルベロは、まるで天使のようだ。
「それじゃぁ早速、会いに行きましょう!」
***
「おい!見てみんしゃい、壁がのうなったごたる!」
その日、漁師や船乗り、
また海岸近くに居た者達は、
沖合に立ちはだかる濃い霧の壁が消えるのを目撃した。
挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16817330663087042985
霧の向こう側に行こうと突入しても同じ場所から戻ってしまう。
<遥かな昔に世界が壊れ、山さえも吹き飛ばす嵐となった。
この大陸に住まう人間を哀れんだ精霊が壁を作り外の世界と切り離した。>
古い言い伝えである。
「あの端っこば、どぎゃんなっとーとや?」
生まれて初めて水平線を見た。
「俺、本で読んだ事ば有るったい!
あれがスイヘイセンに違いなか!」
各地の言い伝えを纏めた“
その中に海の端っこはスイヘイセンとあった。
「へぇ!物知りやねあんた、
スイヘイセンにゃぁ何んがあると?」
男は得意満面に答えた。
「虹ん橋ば在るとよぉ!」
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