*第95話 膨らむ夢
工学系の仕事や学校に所属している人ならば、
装置の“誤動作”を必ず経験するだろう。
判りやすいのは可動部分の設計ミスか、
部品の不具合。
しかしいくら調べても原因が分からない事も有る。
悪戦苦闘の末に、やっと見つけた異常の正体が、
別の装置のノイズであったり、
複数個所の共振であったり、
まさかこんな事が!
と言う事が良く起こる。
そう!良く起こるのだ。
何気ない日常は奇跡の連続なのだ。
***
私としたことが恥ずかしいですわ。
思わず
まさかこんな事が!
自分の娘が、自分と同じ“TS転生者”だとは、
全く想定していませんでしたわ。
精霊歌の正体が下らない替え歌だとバレてしまいますわ。
もしもアリーゼに軽蔑されたら・・・
どう致しましょう!
私は生きていられませんわぁ~
「精霊歌の記憶を人類から消し去る事は出来ませんの?ルルナ。」
それが良いですわ!
「絶滅させるしかないですけれど、しますか?」
いいえ結構ですわぁ~~~
「これからは真面目に歌う事ですね。」
ど正論ですわね!
自信が有りませんわぁ~
持って生まれた性分ですもの、
簡単には変わりませんわ。
「精霊歌って何ですかぁ~?」
シモーヌと同じニオイがしますわね。
「私が精霊言語で歌いますのよ。」
気分爽快ですのよ!
「
良いではないの、みんな喜んでいるのだから。
「へぇ~聞きたいですぅ~!」
「もちろん宜しくてよっ!」
ジャ~ン♪チャラ~チャン♪
チャラ~チャン♪
チャラ~チャ~~~ン♪
ピロリロリ~~~ン♪
ズンタカ タッタ♪ズンタカ タッタ♪
ズンタカ タッタ♪ズンタカ タッタ♪
『
<
ジャ~~~~~~ン♪
「うわぁ~下品~~~」
「でしょう?だから嫌なのよ。」
面目ありませんわ・・・
「
まぁ!アリーゼは気に入りましたのねっ!
「先輩~い、喜んでますよぉこの子は~」
当然ですわ!私の娘ですもの!
「あぁ~頭が痛い・・・」
ソクラテスもプラトンも
ニーチェもサルトルも
み~んな悩んで大きく成りましたのよ!
アリーゼは笑い疲れて寝てしまいましたわ。
あぁ!夢が膨らみますわぁ~
アリーゼと精霊歌をデュエット致しますのよ!
そうと決まったら沢~山っ用意しませんとねっ!
挿絵:https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16817330662158602445
親子で共作するのも素敵ですわぁ~
アニメソングは好きかしら?
でも何故かしら?
急に不安になって来ましたわ。
「ねぇルルナ、これから世の中は
どうなって行くのかしら?」
アリーゼの将来が心配ですわ。
「おや?珍しいですねぇ、弱気になるなんて。」
「アリーゼの事を守ってあげてね。」
「えぇ、大丈夫ですよ。」
「任せて下さいよぉ~ヘッッッブシッ!花粉症?」
不安ですわぁ~~~
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