ショッピングモール

アルスは6歳になった。

そして、ついにショッピングモールが完成した。

工期は約1年。計画通りに進んだ。

今は、専門店やフードコートに入居する飲食店が色々と作業をしている。

アルスはリエラと服屋アルス・リエラの入居する区画を訪れた。

中ではリエラが集めた従業員8名が開店に向けた作業を進めてくれていた。


「いい感じに作業も進んでるね。」


「えぇ、私の方で指示してあるから安心して。」


リエラは自身満々に言う。

まぁリエラに任せとけば大丈夫だろうとアルスは思った。


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しばらく作業を見たアルスは、リエラにこの場は任せてショッピングモールの事務所を訪れた。


事務所はこのショッピングモールの運営を担うショッピングモールの心臓部だ。

事務所には30名の事務職員を配置している。全てアルスがこの1年間で集めた優秀な人たちだ。今はオープンに向けて作業を進めてくれている。


アルスが事務所に入ると皆が一礼をした。

何故ならこのショッピングモールの支配人を務めることになっているからだ。


「皆さん、お疲れ様です。かなり作業が進んでいるようですね。これならすぐに開店出来ると思うのですが、いつ開店予定ですか?」


ここでアルスは説明を受ける。

アルスは支配人と言っても現場に出ることは無い。主な仕事は運営状況等を聞き、指示するだけで事務所に来ることもそうそうないのだ。


説明をしてくれた事務職員によると明日にも開店できる状況にあると報告を受けた。


「なるほど、明日にも...では、周知期間も必要ですから2週間後に開店することにしましょう。皆さん、広告などを作って周知をお願いします。」


アルスは、事務職員達に通達した。

通達すると事務職員達はすぐ動く。本当に優秀な事務職員達だ。


アルスは安心して事務所を後にした。

その後はもう一度、服屋アルス・リエラの様子を見てリエラと共にノスタ公爵邸に帰った。


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そして2週間が経ちついに開店日を迎えた。

アルスは支配人として開店1時間前にショッピングモールに来ていた。

リエラも服屋アルス・リエラへ出向いている。

ロフ、サリー、サイルは後で来ることになっており、挨拶をすることになっている。ショッピングモール事業はノスタ公爵家の事業であるからだ。


アルスは開店前に事務職員達に挨拶等をし、開店時間を迎えた。

ショッピングモールの入り口にはステージが設置されていて、入り口周辺にはたくさんの人で埋め尽くされていた。

ステージに向かうとロフ達も既に来ており待機していた。


「ノスタ公爵、すごい人ですよ!」


「アルスくん、本当にありがとう。こんなに人々が集まる施設ができるなんて領主として誇らしいよ。」


ロフは誇らしそうにした。

自分の領地にこんなにも人々集まる施設ができ嬉しいのだろう。

ロフたちと話をしていると開店前の式典が始まった。


最初に挨拶をするのはロフだ。


「えー、皆さんノスタ公爵家当主のロフ・フォン・ノスタだ。ついにショッピングモールの開店日を迎えることが出来た。本当に嬉しいことだ。このバンの街、ノスタ公爵領はさらに発展していくことだろう。ぜひ楽しんでほしい。では、支配人に挨拶を代わる。」


ロフの挨拶が終わった。

そしてアルスが挨拶をする。


「皆さん、御来店ありがとうございます。今までにない新しい商業施設となっています。1日中滞在できる施設になっていますのでどうぞお楽しみください。では開店です!」


アルスの合図に合わせて扉が開かれる。

それと同時に開店を待ち侘びていた人たちは勢いよくモールに入っていった。


挨拶を終えたアルスとロフ達はモール内を見て回った。どの店にもたくさんの人が訪れており賑わっている。


「どの店を見たいですか?」


アルスはロフ達に尋ねた。


「やっぱり、アルス・リエラね!あなた達が作ってる服を見てみたいわ!」


答えたのはサリーだった。

やはり女性は服には目がない。

アルス達は服屋アルス・リエラを訪れた。

店の前には長蛇の列ができ、とても忙しそうだ。店を見ていると何とリエラまで働いていた。


「どうやらゆっくり見れそうもないね。」


「そうですね。」


アルスとロフ達は諦めて、ショッピングモールをあとにした。





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