夕日 15分縛り

 黄昏。空が真っ赤に染まるとき、少し不思議な気分になる。

 昼と夜の間。なんだか境界が曖昧で、ふわふわとした響きだ。

 真っ赤な夕日は、昼間はたくさんの色で鮮やかに色づいていた世界をオレンジ色に染めていく。まるでそれは夢に落ちていくときのようで不安定で心細い。

 あたり一面が同じ色だとすべてが混ざり合ったようで、この世界のすべてが実は似たようなものなのだと思わせてくれる。

 隣にいる君の毛並みだって今は白じゃなくて、僕のワイシャツも同じような色に染まって、見ためも何もかも全然違う僕らがただここにいる。それがなんだかとても尊いことのように思えるんだ。

 縁側の端に座っていた君はにゃあと間延びした声で鳴くと大きな伸びをする。君はゆっくりと歩いていなくなった。

「また夕日の時間にね」

 そうして僕は隣の家の屋根に沈んでいく夕日をずっと見つめていたのだった。

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