第2話

思わず振り返った目線の先には、何か半透明の物体が浮かんでいた…

俺は思わず立ち上がってしまった。

「へっ、?!」

「山田ぁ、やっと起きたんか。ちゃんと聞かないと次の考査難しいぞ。」

「あっ、いや…すいません。」


じゃあ、再開するぞ、えーこの年代には―――


一旦冷静になろう。

まぶたを閉じ、深く深呼吸をして、ゆっくりと目を開けた。


そこには、いつかの笑顔の君が浮かんでいた。


「ふふっ、びっくりした?」

「っ…」

「もうちょい反応してくれても良いんだけどな」

謎の浮遊体は俺の周りをふよふよ回ってみたり、机をすり抜けたりしていた。


一旦落ち着こう、

大きく息を吸ってーー。吐いてーー。

目の前にはまだ未確認生物がいた。


…そうか、これは夢か、まだ夢の中なんだ。

きっとそうだ。

そうじゃないとこんな状況説明がつかない…よな。


俺の心拍数が上がるにつれて、君に似た何かは肩を揺らすほど笑っていた。

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