第15話 物語にはヒロインはやっぱ必要
「わ、分かった。分かったから!技名にスーパー入れたらカッコいい!めちゃ理解した!」
諏訪さんの勢いに勝つことは叶わず、技名にスーパーを外すことはできなかった。何がなんでも入れたいというある種、こだわりのようなものがあるのだろう。これだけは譲れないようなものが。それは、人に必ずしも理解されるものではないし、俺が理解できないのも当然のことなのかもしれない。でも、俺的にはないほうが良い気がするんだけどな····。
「ストーリー展開は今回はいい感じだと思う。異能バトルあるあるの学園ものっていうのもいいと思うし」
諏訪さんが今回書いたものは異能バトル。話の概要は主人公がいて、その主人公が学園内で大活躍していく。そんなありふれた話。諏訪さんのユニークな名前や技、話の展開の仕方には俺自身も驚きがあった。
諏訪さんはラノベを最近は読んでいるらしいが、話の展開はラノベのそれではないのだ。漫画の展開とラノベの展開の中間点というか、いや違うな。急展開めちゃくちゃあるからなんというか、賛否両論しそうな話だな。
これまで諏訪さんが書いてきた作品はまだまだある。例えば、
1、異世界に転生した俺。現代知識を活かそうとしたけど現代知識が遅れすぎててやばいんだが。
これは今までの異世界転生とは違い、現代知識が全く使えないというやつ。
主人公は学園に入学しているトビノビ・ぴょん吉に転生をした。入学試験的なものはすでに終わっていて合格が決まっていたこともあり、主人公はまだ現代知識が使えると思っていたのだが、入学してからの授業を聞いているときにふと首を傾げた。あれ?これもしかして?って。
現代知識が遅れまくってて赤点回避に明け暮れるという話。急展開がこれにも結構あるのだが、ネタバレになるからやめておく。
2、探偵はもう老いている
探偵はもう死んでいるの題名のパクリなのかと最初は思ったのだが、諏訪さんはそのラノベを知らなかったらしい。
この話は昔、凄腕の探偵と有名であった人物が年をとったおっさんになって探偵業を卒業して将棋のプロを目指すという題名とあっていない話。なんならタイトル詐欺と呼ばれてもおかしくない。俺も騙された。
まだ多くあるが、とにかく俺が言いたいのは諏訪さんにはやはり小説家になる才能があると思っているということだ。話の内容はひとまず置いといてこれだけの話を毎日作れるというのは才能だ。
今回もそう。諏訪さんには才能を感じる。俺は別に編集者でもなければ何でもないのだが。
でも、一つ気になることがあるのだ。これまでの作品からもそうだし。
「諏訪さんの作品には“ヒロイン”が出てこないんだよね。最初はいたけどそれ以降は登場しない。この後に出てくる予定なのか?」
やはりどのラノベでもヒロイン的な存在は必要だと思うんだよ。それもかなり魅力的な。リゼロだとレム、ありふれた職業で世界最強だと八重樫雫。後は、無職転生だったらロキシー。
それ以外にも多くのヒロインがいるわけだが、誰もが魅力的な存在だ。
諏訪さんは俺の言葉に少し考える様子を見せ、
「一つ思いついたんだけどいい?」
「聞かせてくれ」
「主人公の幼馴染の友達の友達っていうのは?」
「·············」
なぜそうなった。
いや、何。ヒロインがほしいって言ったのは俺だ。でも、こう来るか·········。予想の斜め上どころか、急カーブを決めてるよな。
「もうちょい、単純なほうが良い気がするんだよ。ヒロインは魅力的な存在であれば人気出ると思うしさ。だから、変に設定をこり過ぎると覚えづらいし、魅力が損なわれると思うんだよ」
「確かに。そうすると、主人公の幼馴染の友達の友達のいとこならどう?」
「·············」
どうしてそうなる!!!余計ややこしくなってるだろうが!そもそも幼馴染の友達の友達のいとこって絶対交流ないじゃん。なに、登場させないつもりなのか?設定上いるけど?みたいな?分からねぇよ!読者側にはそんなん一切わからねぇよ!
それに友達の友達ってことはそれつまり友達じゃないじゃんかよ。主人公と交流がないのにどうやって登場させるんだよ。
「どうやって登場させる予定なんだ?」
諏訪さんには俺にはない思考力というか、想像できないような話の構造ができているのかもしれない。
「主人公の許嫁ってのはどうかな?」
??
ああ、そういうこと·········ってはっ?許嫁?幼馴染の友達の友達のいとこが?
もうわけ分からない。
● まだ続く!
――――――――――――――――――――
今回出させていただいたヒロイン云々は作者の私情が入り込んでます。
リゼロに関しては納得してくれる方もいるかもしれませんが、ありふれた職業で世界最強でのヒロインは八重樫雫というのはおそらくはっ?みたいな反応があるかもしれません。ただの私の押しキャラです。無職転生のロキシーもそうです。
それとまだ続きます。もう二話もやってるのにまだ終わらないのかよ!って方もいらっしゃるかもしれませんが、お付き合いください。次話で完結予定です。保証はないですが·······。
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