布ナプキン、紙飛行機になって。

こんな夢を見た。


足繁く通うパチンコ屋に行くと、梅宮辰夫が叫びながらスマスロ・バキを打っていた。梅宮辰夫とは、僕が勝手に心の中で呼んでいるあだ名だ。


押し順を正解するとボーナスか何かに当たるらしく、左リールに二連図柄が止まると雄叫びをあげていた。押し順が正解しているらしい。


その後、梅宮の友達も巻き込んで、友達にストップボタンを押させていたが、押し順は間違っていたらしく、失敗に終わった。梅宮は、台移動して、パチスロを続けた。


スロ友がほしかった。


パチンコ屋から少し離れた、廃れたプレハブか、バス停のような場所に行くと、ホール内でよく見かける連中が溜まっていた。勇気を持って、話しかけた。


「あの人、毎日数万円負けてるんじゃないですかね」


パチスロ生活者達と梅宮辰夫の打ち方について話した。彼らも梅宮のことは印象が強いようで。


「勝ちを意識して打ってる人の方が少ないよ」


「年をとると視野角も狭くなるし、梅宮が台選びが下手なのも仕方がないかもしれない」


なんて、話した。タバコを吸い終えると、彼らはホールに戻っていった。後日、その時の一人とすれ違う時に、一度話した仲だから、「こんちわ」と挨拶した。スロ友できるかな。




アルバイト先に行くと知らん人が働いていた。今年度は続く大量受注は、問題なくこなせているらしい。僕は、個人的な作り物をしたくて寄ったのだった。


裏口を出て、驚いた。仕事場の裏の小道は避難路に指定されている場所だけど、行政が勝手に河川工事をした結果、崖になっていた。


用水路か何かを整備したのだと思うが、勝手に並べていたペットボトル植木鉢などは、撤去されてしまったのだろう。工事が始まる前に連絡くれたら良かったのに。




娘がパパ活をしていた。僕らの世代では、援助交際という言葉の方が馴染み深い。父親は、そんなことやってないだろ!と言うと、妻は、やってます!と言った。黙っていたらいいのに。


人格が壊れちゃった父親は、手のひらにナプキンを持ち、布のギャザー的なものを何度も重ねたり、浮かしたりする。そうすると、ナプキンは敷布団となり、ギャザーは掛け布団となり、記号的に描かれた父と娘が、そこに仲良く寝た。決して、パパ活ではなくて、父子仲良かった頃の様子だ。


布団は折りたたまれ、紙飛行機の形となって、父と娘を乗せて飛んでった。僕は、それを見送った。


一連のアニメショーンを眺めて、これは何かにできると思い、その夢を記憶にとどめた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る