第29話 淀君さんと縁結び⑧
「まだ拝んでない神様ありましたっけ?」
「ふふん、源九郎稲荷さんから茶店の前に八兵衛大明神さんが移りはったんや。」
「リュウさん、なにか芸事してたんですか?」
もと子は目をまん丸にした。
「ちゃうちゃう、人気の神さんでもあるんや。うちも客商売、人気は大事やろ?」
リュウは整った顔に色っぽい流し目でウインクした。
イタッ!
むくれたもと子にリュウは思いきり腕をつねられた。
「そういう人気は要らないです!!」
冗談、冗談とリュウは苦笑い。2人は並んで手を合わせた。
「家庭円満を乱さないような人気を出して下さいってお願いしておきましたから。」
腰に手を当てて唇を尖らすもと子。リュウは帰りにアイスを買うからという条件で許してもらった。
生玉神社の鳥居をくぐり、最後に生玉さんに挨拶をして帰ることになった。
繋いだ手を前後に揺らしながらリュウともと子は地下鉄の階段を下りて行った。
「今日はもとちゃんのお父さん、お母さんのことが少しでもわかって良かったな。」
「リュウさん、私、今夜スゴく充実しました。ありがとうございます。」
「俺もプロポーズにOK もらえて充実の一日や。」
当たり前じゃないですか!もと子は頬をピンクに染めてリュウに抱きついた。リュウはもと子の背に手を回した。
「早よ家帰ってお土産食おう。」
もと子は幸せに満ちた笑顔でリュウと改札を抜けていった。
もう一度プロポーズー浪速の縁結びツアー @ajtgjm159
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