第22話 淀君さんと縁結び①
2人は再びニュートラムに乗り、地下鉄に乗り換え谷町9丁目駅で降りた。地上に上がると既に祭りの雰囲気が漂っている。谷町筋を南下すること5分。生國魂神社の参道が見えて来る。夜店がいくつも並び境内はたくさんの人でにぎわっている。
「先にお参りしてから夜店まわろう。」
2人は長く伸びるお参りの列に並んだ。
「すごい人ですね。あれ、リュウさん?」
もと子に並んでてな、と言うとリュウは屋台に走っていき、たこ焼きとペットボトルを持って戻ってきた。
「順番くるまでに食い終わるやろ。指輪渡せたらどっと腹減ってきたわ。」
「私もぺこぺこ。いただきます。」
もと子は爪楊枝でたこ焼きを一つ口に入れた。
たこ焼きは熱々。ソースとマヨネーズが端から端まで何往復もかかっており、その上で幅広のかつお節が熱気で生きているように踊っている。
表面はカリッとしているのに一口かじると中からトロリと出汁の効いた中身が出てくる。もちろんタコは大きめ。リュウが選んだお店は大当たり!でも、中のトロリはめっちゃ熱い!
「ハフハフ、熱っ!熱っ!」
「お、大丈夫か?熱いから気をつけて。」
渡されたペットボトルのお茶でようやく一息ついた。
「たこ焼食べてお参りしたら焼きそばいく?」
もと子はナイスな提案にたこ焼を頬張りながら人差し指と親指で丸を作った。
2人がたこ焼をすっかり飲み下した頃、ようやく順番がまわってきた。
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