第17話 商売繁盛と夫婦円満?⑩

 住吉大社の境内に沿って東門まで戻り、教えてもらった通りに進むと時代がかった建物が見えてきた。屋根には高灯籠のミニチュアが立っている。2人は店を訪れた。


 いくつかの美味しそうな味噌が並んでいたがやはりここは住之江味噌。味噌に砂糖とゴマのシンプルなもの。店を出てすぐ買った味噌のひとつを開けて指先につけて味見してみた。

「素朴なええ味やな。」

「ご飯、食べたいです。」

晩御飯の友、楽しみ!と2人はうなずきあった。


 さて用事を終えた2人は石舞台から五所御前の前に戻ってきた。

五所御前の回りには人が集まり柵の隙間から手を突っ込んでいる。

「もとちゃん、ここは五所御前さんといって最初に住吉の神さんがお祀りされたところなんや。それでここには五、大、力とそれぞれ書いた石があるやろ?これを集めて五大力にしたら願いが叶うんや。」


「それでみんな柵の隙間から石を探してるんですね。」

もと子とリュウも並んで探し始めた。

「無いときはホンマないねんけど今日は結構あるやん。」

リュウはすぐ揃った。もと子の手助けをしてやり、ほどなく2人とも石を手に入れることが出来た。


「授与所で五大力さん用の袋買おうな。」

もと子は大事そうに石をハンカチにくるんでバッグになおした。

授与所で五大力さん用の錦の袋を揃って買い、2人はいったん角鳥居から南に歩き出した。


すると左側に船玉神社が見えてきた。

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