第15話 商売繁盛と夫婦円満?⑧
樹齢千年を超える楠の大木が御神体。リュウは小さな招き猫を買い、そばにあったしおりを見た。
「毎月小猫一つずつ買って、この小猫48体で中猫1体と交換。中猫2体と小猫48体で大猫1体と交換。招き猫は右手で招くのと左手で招くのとあるから全部で24年やって。」
「先の長い話ですね。でも応援します。ファイト!」
もと子に笑顔で応援されてリュウはやる気アップ。
「ありがとう。俺頑張るわ!」
次の浅沢社に向かおうとするとなにやら人が集まっている。リュウ達が通りがかると生姜湯のサービスをしていた。
「どうぞおひとつ。」
すすめられるまま2人は生姜湯を口にした。
結構パンチのある味。生姜が効いている。
「リュウさん、これ美味しいですね。買いましょう。」
もと子の言葉に何の返事もなかった。買うのダメ?もと子がリュウを見上げるとリュウは売り子の方を見たまま動かない。
「どうしました?」
もと子の言葉が終わる前にリュウは小さく指さした。
「うどん屋や。」
「何処に?」
怪訝なもと子。しかしリュウの指さす方をじっくり見ると生姜湯を売っている店の屋号が「うどん屋」。
唖然とするもと子。リュウは生姜湯を一気のみして、売り子に聞いた。
「すみません、お宅のお店は古いの?」
「ええ。創業は明治です。」
リュウは振り向いてもと子に小声で言った。
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