第13話 商売繁盛と夫婦円満?⑥
「うどん屋はないなあ。」
リュウは元カノの誰かと来た時に飲んだ気がしたがよく思い出せなかった。だがもと子に言えるはずもない。
南海電鉄住吉大社駅から紀州街道を越えると目の前に住吉大社の大きな灯籠や有名な赤い大きな反り橋が見えて来る。
住吉大社は全国の住吉神社の総本社。仁徳天皇の住吉津の開港以来、遣隋使、遣唐使も参拝した航海の守護神として、和歌や文学の神、様々な願いを叶えてくれる神として現代も崇敬を集めている。
反り橋を渡るとすぐ大きなウサギの手水舎。住吉さんの神使はウサギ。
もと子はリュウに手を持ってもらってソロソロと反り橋を渡った。
「反り橋、しっかり足元見て渡ったら全然怖くないやろ。」
「そうですね。思ったより大丈夫でした。やっぱりペタンコ靴、正解でした。」
2人は反り橋を渡り終えると手水舎のウサギの前で手を清めた。石の兎はとても愛らしい。もと子はすでにはしゃぎ気味。
大きな石の角鳥居をくぐると立派なお社が3つ縦に並び、手前のお社の横に同じくお社が立っていた。
「奥から第一本宮、第二本宮、第三本宮、横にならんではるんが第四本宮や。」
「スゴい!船が並んで進んでるみたい。」
リュウともと子は第一本宮から順番に手を合わせていった。
第四本宮を拝み終えた時、もと子はくるりと後ろをむいて大きななでウサギを見た。
「リュウさん、無病息災ですって。なでていいですか?」
「もちろんや。いっぱい撫でさせてもらおう。」
2人はウサギの頭や顔、お腹をなでては自分の体の同じところを撫でた。
「かわいいです。ほおずりしたい。」
「それは止めとこ。」
未練たらたらのもと子をリュウはなでウサギの右斜め前に見えるおもと社に連れていった。
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