第102話

(嘘でしょ、確か、アトウッドキャクストン国で、測った時には、闇属性以外全ての属性の適応が、あると話していたはず。測定の仕方が違うのかしら)


そんな事を考えていると、パトリックが、


「リズ、魔法学校は、皆んな、愛称で呼ぶんだ。それに、制服だからね。

寮の部屋で、身分は、判っているのだけれど、敢えて、その事については、触れてはいけないよ。


魔法学校は、魔法を学ぶ事は勿論だが、学生の間は、身分は関係なく、学ぶ場所だよ。」


「身分に関係なく、学ぶのですか?学校の責任者は、王族とかでは、ないのですか?」


(魔法学園の責任者は、王族の最初の仕事になっている。だから、責任者の意向が強く学園に反映されていたわ。)


「魔法学校は、王族は、直接には、関係がないんだよ。

魔法学校は、宮廷の4大臣、軍務大臣・外務大臣・内務大臣・財務大臣がそれぞれの担当を請け負っている。


問題が、起これば、その担当してる、大臣の責任問題なるんだよ。

だから、問題が起こる事が、ないと言った方がいいかな。


ただ、全寮制なのに、王族だけは、特別扱いになっている。

それは、リズの部屋で、解ったと思うが、寮の部屋に、毎日通学を出来る様にしている事だよ。


それは、王宮での執務を行う時間を作る事が、本来の使い方なんだけれどね。


リズは、僕らに、毎日、顔を見せて、話をする事、そして、魔法の練習があるから、通学って所だね。


一応、四大臣には、話を通しているよ。」と目を細めて言った。


「身分は、関係なく、学べるのですね。」


「リズ、本当に、魔法学校は、安心できるんだよ。

ただ、身分は関係ないのに、王族だから、魔法が使えると思われているから、プレッシャーはあるけれどね。」とダンフォースの口角が上がった。


「ダン兄様、意地悪を言わないで、下さい。魔法の練習をお願いします。

魔法学校は、明日から、魔法の実技があるのかしら?あるのだったら、練習につき合ってもらえますか?」


「良いよ。リズから言われるの待ってたよ。」


「今日は、このまま、魔法練習場に行くぞ。アリーもリックも良いだろう。

ダンだけに、リズの事を任せる訳に如何にからな。」と言うと、そのまま、王宮の魔法練習場に5人とも移動する事になった。


魔法練習場は、広かった。魔法学園の練習場の3倍はあった。


「リズ、広いのは、魔法宮廷団も使う事があるからだよ。」


(魔法宮廷団が、あるのね。確か、アトウッドキャクストン国では、魔法騎士団だったと思う。マティーは、魔法騎士団には、気をつけろと言っていたけれど、大丈夫よね。)


「リズ、今使える、魔法は何を使える?」とパトリックが聞いてくる。


「得意な魔法は、阻害認識魔法と空間魔法です。

後は、防音結界とヒール回復魔法を時々、使う程度です。」と言うと、


「阻害認識魔法で何を隠してるの?」


「リック兄様にも、内緒ですよ。」と笑顔で、返すと、


「リズ、とても大切な物なら、リズの部屋で、空間魔法を練習して、いつでも、どこでも取り出せる様に練習をすると、持ち歩かなく良いから、便利だよ。


魔力量で空間の広さが違ってくるけれど、これは、部屋で練習をしよう。」とダンフォースが、笑顔で言った。


「ダン兄様、後で教えて下さいね。」


「リズ、攻撃魔法は、使えないのか?」


「お父様、攻撃魔法は、使う事がないから、練習をした事が、ないのですよ。」


「普通に、生活をしていれば、使う必要は、ないかもしれないが、リズは、王族の一員だから、少しは、攻撃魔法も覚えていて欲しいんだ。リックとダンに習うといい。二人は、それぞれ、火属性魔法の攻撃と水属性魔法の攻撃を得意としている。リズは、聖属性魔法だから、攻撃魔法よりも、結界と治癒だな・・・・

他の属性を持っていると、良いのだが。

リズ、他の魔法は、何が出来るか?」


「他の魔法ですか?生活魔法は使えますよ。メイドの時には、毎日使ってましたから。」


「生活魔法か。

リック、ダン。悪いが、リズの魔法の練習を頼む。攻撃魔法を中心にな。」

とアレクサンダーが言った時に、アレクサンドラが、口を挟んだ。


「アレックス、リズの魔法の練習をローレッタにも、頼めない?リズは、女性よ。私が教えたいけれど、王族の魔法は、血が関係しているのだから、リックとダンは、男性だから、攻撃魔法も違うと思うの。」と少し、寂しげな、目をしてる。


「アリー、良いのか?王族の血を考えると、ローレッタに頼むのが、一番良いのだが、それでも良いのか?」


「仕方がないわ。本来なら、赤ん坊の時から、少しずつ、覚えてく事を、リズは、早急に、学ぶのよ。リズが魔法の練習が終われば、私と一緒に過ごす、時間を作ってもらうわ。リズ、いいかしら。」と、笑顔を作っている。


「お母様、練習後は、お母様の所に行きます。」


「リズ、練習の後は、お茶をゆっくり飲みながら、お話をしましょう。」


「はい。」


「アリー、儂も、仲間に入れて欲しい。」


「アレックス、私達とお茶をする暇が、あるのなら、リズの魔法の練習を、手伝いなさいよ。リックとダンに任せようとするし、ローレッタに頼むのは、王族の女性だからよ。解ってるの」と厳しく言われている。

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