第101話
ダンフォースが、言った言葉で、3人とも誰の事を指しているのが解った。
「まあ、初恋は、実らない、残念だったね。新しい恋を見つける事よ。」とアレクサンドラは微笑んだ。
「リズは、まだまだ子供だ。これから先は長い。誰か良い人を見つけるといいぞ。否かったら、ずっとここで暮らせばよい。
ローレッタと同じ様にな。」
「父上、言っていい事と悪い事が、有りますよ。
叔母上は、政略結婚だったはずなのに、相手の国で、事情で勝手に断ってきたから、叔母上は、結婚に対して、恐怖があるのですよ。
父上の判断が甘かったからではないですか。
それを何でそんな風にいうのですか?」とダンフォースが厳しく問い詰めている。
「アレックス、本当よ。貴方が、しっかりしていれば、ローレッタだって、結婚しているでしょうし、リズだって、誘拐されて、14年も離れる事は無かったのよ。
自覚しているの?」
「母上、前国王、お祖父様が、側室を持ったせいです。だから、父上は、側室を持っていませんよ。其れ位にしてあげませんか。」
「あれは、儂だけの責任では、無い。前国王が、甘かったせいだ。側室が産んだ子供は、自分の子供でない事が解っていても、そのままにしておいたのが、悪いのだ。だから、儂達、
ただ、犠牲になったのが、ローレッタとリズだった。」
(
その為に、ローレッタは結婚をしないままなのね。
王族の血を引いていないのなら、直ぐに解るのにそのまま放置している、前国王、って祖父って事よね。アレクサンダーは、自分の父親を排除したんだ。
国王として、冷酷な部分もあるのかもしれないわ。)
「リズ、すまぬ。儂が、早くに、動いていれば、二人とも、違ってたのだろう。
でも、今、リズが手元に戻って来て、嬉しいんだ。14年は、長かった。探しても、見つからず、諦めていたんだ。でも、リズが、《魂魄回帰》ソウルリバースを使ってくれた事で、生存も確信でき、探し当てられた。」
「お父様、私は、大丈夫ですよ。それに、これから、お父様やお母様に甘えますし、お兄様達にも甘えます。好きな人が、出来たら話しますよ。」と微笑んで見せた。
「リズ、初恋は、苦いらしいよ。新しい恋を見つける事だよ。」パトリックも目尻を下げながら言う。
「魔法学校に行けば、新しい出会いもある。それに、魔法の勉強をしないといけないからね。そう言えば、カルが言っていたけれど、魔法学園の魔法は座学が多かったそうだね。僕が、見学に行った時は、特別に実演の授業になったらしいね。」
「はい、魔法学園は、基本的に座学が多く、実演の魔法は、魔法師団や、魔道具士になってから、習う事が主の様でした。
魔法学園では、魔力の暴走や枯渇の対処などを習っていました。」
「リズは、その時は、何になるつもりだったの?」とパトリックが、頭を傾けて聞いてる。
「メイドを希望していまた。」と答えると、
「リズの魔力量が多い事を、魔法学園側は、知っていたよね。職業の希望とかは、聞いてこなかったの?」
「魔法学園は、基本的に、貴族の方が、通う所です。平民だった、私が行く所ではないのです。それに、魔力をずっと隠していましたし、王都に行って、再度、魔力検定を受けた為に、通う事になっただけですから、学園側は、大変だったと、思います。」
「なら、リズ、カポーティブレナン王国に来て良かったよ。この国では、魔力量や質、属性で、魔法を学ぶ。それは、この国全ての人が対象になっている。
魔法学校は、王都だけでなく、その領地に各それぞれあるんだ。
そして、領地の魔法学校で成績が良く、適性があれば魔法学院に上がれる。
魔法学院は、二年間だけれどね。」
「リック兄様、魔法学院の適正って、なんでしょうか?」
「大まかに言うと、指導力と統率力の二通り、
一つは、魔法学校の教師に向いている、指導力。
そして、もう一つは、部隊を纒める、統率力。
この二つは、国の大事な事だからね。
王家の人間は、魔法学院に行く事が多いね。僕は、統率力で、ダンは、指導力だった。
僕たちは、学院に行っても、実際には、学校で教える事ないし、部隊を率いる事もない。
ただ、その適性は必要だし、知識も必要なんだ。」
「リック兄様、私も魔法学校で適性が有れば、魔法学院に行けるのでしょうか?」
「リズなら、行けるよ。」
力強く答えて貰えた。
「リズ、カポーティブレナン王国の魔法学校は、実技を占めるだから、王宮内の練習場で明日から、僕と兄上が、付き合うから、覚悟してね。」
「はい、お願いします。」
「リズは、魔力量も多いから、属性に合わせた、魔法を使う事を覚えれば、大丈夫だよ。」
「リック兄様、属性に合わせたとは?魔法ですか?」
「リズは、治癒魔法などを使えるから、聖属性の魔法を重点に練習をしながら、他の属性も調べて、練習すれば良いのだからね。」
「大体、属性は人によって違うけれど、持っている属性を中心に練習をすると、魔法の技術が伸びるんだよ。」とダンフォースが教えてくれる。
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