第65話
(カポーティブレナン王国の貴族の子供で、誘拐されたとしたら。)
『本当の親に興味はないのかい?』
カルヴィンの言葉を思い返してみる。
(カルヴィンは、
瞳を真剣に見ていたけれど、本当の親と同じなの?でも、魔力の枯渇の時に、現れたのに?
親・・・・興味・・・・どんな魔法を使うのかは知りたい、という気持ちは少しあるけれど、興味と言われれば、そうかもしれない。
でも、魔法学園で自分で使って調べればいいだけよね、
そして、魔法学園を卒業する時には、折角、魔法が使えるのだから、魔力と魔法を活かした仕事をしよう。マティーは何て言うかな?)
ふと気がつくと、朝になっていた。
「ケイトさん、ゆっくり寝れましたか?朝食だけは、しっかり取ってくださいね。」とハンナが、朝食の用意をしてくれている。
「ハンナ、ごめんなさい。遅くなってしまって、それに、要らない心配をかけてしまったわね。」と笑顔を作り、誤った。
「ケイトさん、気を使わなくてもいいのですよ。昨日は、本当に疲れていた様でしたから、バクスター公爵様には、連絡されましたか?」優しく言った。
「はい、連絡しましたよ。マティー様も、心配されていましたから。連絡しないと、来られて、しまいそうですもの。」
「そうですね。昨日連絡したから、朝早くには来なかったのでしょうね。」口角を上げている。
「?」
「バクスター公爵様が、お昼過ぎに来られるそうです。」目を細めている。
「えっ、昨日の夜は、『何も無かった』と、話したのに、どうして、来るの?
話していて、可笑しい事は、なかったはずよ。何故?」眉を顰めてしまった。
「あら、ケイトさん、バクスター公爵様も、気が付いたはずですよ、様子がおかしい事を、何かあったと解ったはずですよ、私も気づきましたから。
バクスター公爵様が、気づかない方が、可笑しいですよ。」と微笑みながら、朝食の準備をしている。
「お昼過ぎに・・・・来るの?ハンナ、どうして?そんなに普段と違っていた?
何も無かったのに、どうしてくるの?」
「ケイトさん、落ち着いて、何も無かったのでしょ、それだったら、そんなに慌てる事はないはずですよ。」
「そうよね、何もなかったのだから、慌てる事はないわね。」
(落ち着こう、平静にならないと、カルヴィンの話していた事は、内緒に出来ないわ、ただ、王子が、マティーに話していないといいのだけど。)
「ハンナ、マティー様から貰った、ブルーのワンピースを着ようと思うのだけど、後、髪留めを使ってもらっていいかな?」
「いいですよ。バクスター公爵様が喜ばれますよ。」
「それと、ハンナこれも。」
阻害認識魔法を解除して、隠していた、ポシェットの中から、ペンダントと髪留めを出した。
「髪留めと、ペンダントをつけたいの。いいかな。」
「勿論、いいですよ。でもこれは?」
「
「そうですか。では、目立つようにつけましょうね。」ハンナは優しく微笑みながら、ワンピースの準備と髪をまとめてくれた。
着替えも終わりった頃は、もう昼が過ぎていた。
「ケイトさん、バクスター公爵様が来られましたよ。こちらに寮の応接室でまたれれます」
「はい、応接室に行きます。」
応接室に行くと、マティーがソファーに座り待っていた。
「マーぷ、昨日話したのに、どうしたの?急に来るなんて」と笑顔を作った。
「ケイト、今日は、かわいいワンピースだね。それは、僕が選んだ、ワンピースだよね。それに、どうしたんだい?髪留めも、ペンダントもポシェットも身につけているね。可愛いけれど、何かあったのかな?」
「マーぷ、深読みしすぎよ、マーぷに、
「それなら良いんだけどね。昨日は、ケイト疲れて、あまり話せなかったからね。それに、今日は、学園が休みだろ、たまにはゆっくりと話をしたかったんだよ。」
「ケイト、昨日の王子と、カルヴィン様の話の内容によっては、アイクに話すことになるんだよ。
どんな、話だったかな?」優しく見ている。
「マーぷ、本当に大した事を話していないの。村の話とか、ハンナがきた経緯だとかよ。ただ、気を使ったから、疲れてしまったの。マーぷも解るでしょ、あの二人だもの。
それに、王子は、まだ、マーぷと私を恋人同士と思ってるし、カルヴィン様は、親子だと、思っているから、大変だったんだから。判るでしょ、それで、疲れたの。
でもね、マーぷ、
マーぷには、小さい時からずっと一緒だった、お父さんとお母さんよりも、ずっと多く一緒だったよね。
でも、お父さんが亡くなった時に、
お母さんが亡くなった事で、バルフォアボール様の所で、メイドとして働く事になったけど、魔法の事を内緒にして、平民として生きていこうと思っていたのに、王都に来てから、魔力が、解ってからは、全てが変わったのよ。
マーぷは、親でもないし、恋人にもなれないよね。
じゃあ、マーぷは、
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