第66話

「マーぷは、親でもないし、恋人にもよね。


じゃあ、マーぷは、ケイトにとって、どんな存在なの?

ケイトが、マーぷに甘えているだけだよね。」


「ケイト、急に、一体、どうしたんだ。


そうだな、僕は、ケイトの恋人には無理だね。それに、親にもなれないだろうね。


強いて言えば、親戚の叔父さん、ケイトは、かわいい、姪っ子って所かな。」


「姪っ子って、」


「そうだね。産まれてすぐから、世話をしているから、恋人には、出来ないよ。それに、僕は、ロリコンでもないからね。


ケイトも、解っているだろ、ケイトの両親は、ほら、髪留めとペンダントを見ても判るようにバードとレスだよね。僕の入る余地は、ないよ。


だけど、ケイトが可愛くて、守りたい気持ちはあるんだよ。ケイトに買ったそのワンピースの色は僕の色だよ。

そうだな、半分親で、半分恋人って所かな。可愛い姪っ子って感じだよ。

だから、ケイトは、僕に甘えていいんだよ。」

優しく、頭を撫でてくる。


「ケイト、久しぶりに、膝の上においで、抱っこだ。ほら、まだまだ、ケイトは子供だよ。」マティーが抱っこをして、膝の上に乗せた。


「マーぷ、ケイトは、大人よ。下ろして、解ったから。」


「うーん、ケイト、他にも有るんだろ、王子たちが、何か言ったのかい?

僕もね、ケイトと内緒は楽しかったんだよ。ほら、お父さんのバードよりも叔父の僕の方が、ケイトと秘密を持っているって、優越感に浸れたからね。」と目尻が下がっている。

そして、人差し指を口に当てた。


「マーぷ、何を内緒にするの?」と言って、人差し指を口に当てた。


「そうだな、ケイトについて、王子と、カルヴィンに言われた事、かな。」


「何もないってば、内緒にする事はないよ。」


「うん、ちょっと待って、」と言って、防音結界を張った。


「誰にも、聞かれる心配はないよ。正直に話してもらえいるかな?

カルヴィンが、ケイトに、アクションを取っているのは知っているんだ。

そしてね、この間の魔力の枯渇で、ケイトの瞳の色の変化と関係してるだろうとね。」優しく頭を撫で、微笑んでいる。


「マーぷ、ケイトの瞳の色と同が珍しいから、見たかっただけよ。」と微笑んで答えた。


「ケイト、嘘を言ってもダメだよ。嘘を言うと解るんだからね。」じっとマティーは見つめている。


「嘘じゃないよ。」


「そうかなぁ~、むかしから、ケイトは、嘘を付く時は、必ず、拳をつくって、目が泳いでいるんだよ。だから、直ぐに解ってしまうんだよね。」ニヤリと口角が上がった。


「マーぷ、これは、ほら、もう14才なのに、膝の上で恥ずかしいからよ。」


「ケイトは、もう14才になったんだ、早いね。


でも、君は、まだ子供だよ。身体も成長出来ていないし、心はどうだろうね、無理して大人になろうとしていないかい?


ケイトの癖が、そのままなのは、まだ、君が大人になっていないから、嘘をつけないからじゃないかな。

だから、僕が、ケイトの嘘が、解るのだけどね。

観念して、何を言われたのかを話してごらん。」にっこりしながら、頭を撫でている。


(体の成長は、身長も伸びていないし、胸もないから、反論できないけど。

癖って抜けないのね、レスにも同じこと言われたから、気を付けていたのに、マティーには嘘を付き通せないのかも。)


「ケイト、を付くと、その事を隠す為に、事になるんだよ。


マーぷには、隠さなくていいんだよ。ケイトが拾われた時の事を全部知っているのだからね。


こう見えても、マーぷは頼りになるんだぞ。

ほら、村での魔力検定の時にも、頼りになったろ。」

じっと、ケイトを優しく、口を開くのを待つってくれている。


「マーぷ」一言がやっと言えた。


(昨日のカルヴィンの様子を話してみよう。隠しても隠し通せるものでもない、いずれは王子から、話が伝わるだろうから。)


「昨日のお茶会は、始めは、普通にだったのよ。カルヴィン様は、マーぷの事を本当の父親ではないのかと確かめたり、

王子はいつもの様にマーぷと恋人じゃないかと言ったりしてたけど、その時は、違うって答えてた。

その途中からかな?カルヴィン様が、本当の両親に会いたくないのか?って聞き始めてから、少し話が、違った方向に行ったの。」


「どんな方向に言ったんだい。」


「カルヴィン様の知り合いに、ケイトの瞳の色『赤の色の瞳の中心と輪郭が金色』が同じ人がいるそうなの。

そこからかな、話が、違う方向にいったの。」


「ケイトと同じ瞳の色なのか?」


「うん、魔力の枯渇の後の瞳とね。」


「カルヴィンは、何て言っただい?」


「本当の両親に会いたくないか?と聞かれたの。

別に、興味もないと答えたわ、だって、ケイトを捨てた親に会いたいと思わないし、会ったとしても、何も話す事もないと思ったから。」


マティーが寂しげな表情になった。


「でもね、カルヴィン様が、もし、ケイトが、誘拐されて、その犯人から捨てられたとしたら、それでも、血の繋がった親とは会いたくないのかって、聞かれたの。」


マティーが優しく頭をなで、じっと見つめている。


「そこで、スチュアート王子が、話を止めてくれたの。

これ以上の事は、辺境伯様か、マーぷを通して話をする様にってね。」


「ほーら、結局、話さないと、駄目だったんだろ。

王子から聞くか、ケイトから聞くのかの違いだったんだよ。」


にっこりと笑って見つめている。


「ケイト、他にも何かあったのかい?」

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