第61話
令嬢の足の復活させてからは、学園生活は、普通に過ごせる様になった。
伯爵家、御令嬢の足を復活させてからは、上級生から一目置かれ、食堂に見かけたら、挨拶を受ける様になている。
普通の学園生活も、一年過ぎる頃に、隣国の宰相の御子息が編入する事になると、噂が飛び交った。
Aクラス10人のクラス、隣国の宰相の息子なら、Aクラスだろうと、では、誰が、Bクラスに異動するのか?と。
「ハンナ、今度、隣国の宰相の息子様が、編入してくるんだそうよ。
今、誰が、Bクラスに行くのか?って騒いているの。
「ケイトさん、無理ですよ。Aクラスのままでしょうね。
諦めが肝心ですよ。でも、途中で編入なのですね。どうしてでしょうね。」
「わからないわ。隣国の事ですもの。スチュアート王子なら知っているでしょうけどね。関わらないのが、一番ですもの。」
(最近は、王子の態度や、話し方も、平民だからと言って侮った態度で無くなっていた。
その上、魔力の枯渇で、瞳の色が変わった事を知ったからか、魔力の枯渇の心配をしてくれる様にもなった。
これは、マティーの戦略だったのかもしれないわね。)
それでも、学園では、何の変化もなかった。
数日後、カポーティブレナン王国カルヴィン・キャラハン公爵家、嫡男がAクラスに編入してきた。
赤毛の碧眼。長身で、均等に筋肉がついている。学園内の令嬢達が、騒いでいる。
Aクラスで11人目として入ってくる。ブラッド先生が紹介をした。
スチュアート王子から、爵位順に挨拶をしていく。
勿論、家名と爵位、などを入れ、挨拶をしていく。
「ケイトです。王都での魔力測定で、魔力があった為に、こちらの学園に通う事になりました。また、領主様の御慈悲により、平民にもかかわらずに、侍女をつけてくださっています。」と言って、礼をした。
(待女が、付いているから貴族と、間違がわれては、大変だわ。)
ブラッドが、カポーティブレナン王国の公爵家なので、前に座るのだが、他国からの留学なのだから、という理由で、
「よろしくね。ケイトさん」と爽やかな笑顔を向ける。
「はい。キャラハン様、
「ケイトで良いのかな?僕は、カルヴィンと呼んでよ。」
授業が終わると、カルヴィンは、御令嬢達に囲まれてしまった。
(危ない、こんな所にいると、苛められると大変、早く席を経たないと。)
「ケイト、こっちへ来てもらって良いかな?」とスチュアート王子から声をかけられた。
(どちらも、厄介だな 、呼ばれたのだから、行かない訳にはいかないのよね。)
「はい。」呼ばれたので、スチュアート王子の所へ移動すると、
「前回の件があるからね。一応、避難してもらったよ。暫くは、大変だろうけど、隣国の公爵家の嫡男だから、問題が起こらないようにしないといけないからね。
それと、ケイト自身も気をつけてもらいたいね。」
「はい、気をつけたいと思っています。
出来るだけ避けようと思っています。ただ、王子の様に絡まれると困まります。」
(それとなく、言ったけれど気付かな?)
スチュアート王子が、罰の悪い顔をしている。
「王子にお願いですが、カルヴィン様を前の席にして貰う事は無理でしょうか?」
「その事は、少し無理だと思う、何か、目的が有って、留学した様だからね。」
「目的ですか。」
「正直、何を目的にしているのか判らないから、気をつけて貰いたいし、こちらとしても、手を貸す事は厭わない、何か気付けば、教えて欲しい。」
「
「いや、アイザック辺境伯やマティーの関係に対して注意が必要だと言う事だ。
アイザックの領地に興味が有る様だからね。
隣国との境いだから、その点も有る
もう一点は、君の出生に関しもかもしれない、と言う事だよ。」
ニヤリと口角を上げた。
(私の出生、捨子だったのだから、この世界での親は、バードとレスしかいない。そして、マティーは、今は、保護者よ。)
「出生関しては、何もありません。
アイザック辺境伯やマティー様には、お会いする時、気をつけます。」
授業が始まると、カルヴィンが、話しかけてくる。
「さっきは、スチュアート王子と何を話してたの?」
笑顔だけど目は笑っていない。
(貴族って腹黒が多いの?)
「大した事ではありません。
カルヴィン様の所に、ご令嬢が、集まるので、邪魔になるから、呼ばれただけです。」微笑みを浮かべた。
「僕は、君に少し興味があるのだけど、話し出来ると良いのだけど、スチュアート王子の許可が、入るのかな?」
「その事については、許可など必要は入りませんけど。」
「けど、何に?」微笑んで見れる。
「カルヴィン様は、今、ご令嬢様達から注目されています。
そんな時に、平民の私と話していると、後が 大変なのです。
少しだけ、ご配慮をお願い出来ますか。」
「隣りの席でも、中々会話が、出来ないのだね。」
「カルヴィン様は隣国の宰相のご嫡男です。いくら、隣の席にいるとはいえ、平民と軽く話す対象では無いと思います。」
(これで、身分が違う事で、話しかけて来ないでね。)
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