第57話

「どうして?マティーの、」思わず、口にすると。

ブラッドは、

「魔法の痕跡が判ると言っただろう。」とニヤリとすると、


「そこまでは、出来ないよ。テレパシー念話は、ここは医務室だよ。魔法の干渉があれば、判るようにしている。まあ、魔道具だよ。

ケイト、返事をするぞ。」


「マティー様には、この事は、心配をかけるので、内緒にお願いします。」


『ケイト、大丈夫か?聞こえている?』マティーの声が、ブラッドが持っていの魔道具から聞こえ、ブラッド静かに頷いた。


「おー、マティーどうした?ケイトにテレパシー念話で、連絡を取りあってるのかよ。

お前、過保護すぎやしないか?」


「ブラッド、どうして、お前がテレパシー念話に出るのかよ。ケイトに何かあったのか?」


「そうだな。今、医務室だ。だから、魔道具でテレパシー念話の会話ができている。報告だけする。

ケイトは、朝、練習場で魔法の練習をして、その後、授業を受けて、魔力の枯渇で医務室で休んでいる。テレパシー念話の対応は無理だ。じゃあな。」


「ブラッド先生、ありがとうございます。」


「ふっ、マティーのやつ、多分、ここに飛んでくるぞ。

その前にだ、マティーの友人として、正直に教えて欲しいんだ。

マティーとの関係だ。」口角を上げながら、優しいく聞いた。


「マティー様との関係?」


「そうだ。隠さなくていいよ。スチュアート王子は、居ないからね。君の本当の父親?それとも、彼氏どちらだい?」


「あのー、本当にどちらも違います。マティー様は、ケイトが、森の入り口で捨てられていた村の神父様として、いらっしゃったのです。


その時に、魔力がある事から、両親に頼まれて、奔走して貰っていましたし、もし、魔力がある事が判っても対応できるように、指導して貰ってただけです。

だから、父親でもないですし、彼氏にはならないと思います。」


「そうかぁ、残念だな。でも。マーぷだろ。」


「それは、父を『おと』と呼び始めた時に、マティー神父を『マーぷ』と呼び始めてそのままなのです。だから、つい、言ってしまったのです。

でも、マティー様を、どっちかに決めろ、と言われれば、父親ですよ。

赤坊の時から傍に居したから。

でも、ケイトにとって、本当の意味では、師匠に近いと思います。」


「師匠?先生ではなくて?」


「そうです。マティー様は、魔法についてもですが、マナーについても、命令や指示もしなかったし、ましてや、強制など一切ありませんでした。ケイトの自発性・主体性が出来るまで待ってくれた、だから、師匠かなって、勝手に思ってます。背中を見て追いたい存在なのですから」


「そうか、師匠ね。後、魔力量と魔法の事も教えてもらえると、助かるな。」


「魔力量は、教会の水晶で計ったのですが、光っただけですし、魔法は、マティー様と小さい頃から、少しずつですが、本を読んだくらいです。」


「だって、テレパシー念話や、リーフ再生を使ったじゃないか?」


「本を読んで、使ったのです。リーフ再生は今回、初めて使って、魔力量がいる事を知ったし、テレパシー念話も、受信は魔力量は使わなくても、発信には魔力量が、いる事は、この間、知りました。」


「本を読んで・・・・ 本当に、中級魔法の本が読める。」


「マティー様から頂いた本を一度は、全て読みましたが、リーフ再生だけは、何度も読んで、いつでも使えるように、覚えました。」


(そうよ、ヒール回復魔法で治らない怪我があったから、いつでも使える様にしていたから。)


トントン、


「ほら、やって来た。過保護のマティー師匠だろよ。」


「ケイト、魔力の枯渇って、大丈夫かい?」ドアを勢いよく開けて入ってきた。


「おい、静かに入れないか?」ニヤリと笑っている。


「ケイトと大丈夫か?魔力の枯渇って聞いたが、どうして枯渇したんだ?」

私が横になっているベットの傍に来て、顔を見ながら聞いてくる。


「授業の前に、魔法の練習をしたの。だって、王子様が『どんどん使いなよ』って言ったじゃない。少しだけ、使えるって所見せたかったから、それに、今までは、本を読んで、理解はしたけど、実際に使った事なかったし、中級魔法で、こんなに魔力を使うって思ってなかったの。


マーぷ、心配かけて、ごめんなさい。自分の魔力量を判ってなかったから、今度からは気をつけるから、心配しないで大丈夫だから。」心配かけまいと、口角を上げて、笑顔を作った。


「ケイトの魔力量で、魔力の枯渇って、どんだけの練習をしたんだ?」心配そうに、髪を撫で上げる途中で、手が止まり、顔を見つめながら聞く。


「使った事のない、中級魔法を色々と使ってみたの。昼の授業も中級魔法だったから、魔力の枯渇になっただけ、自分の魔力量が少しは、判った気がするわ。」


(さっきから、マティー、顔から目を離さない。そんなに見つめないで欲しいんだけど、魔力の枯渇って、そんなに心配なの?)


急にマティーが小声で、聞いてくる。

「ケイト、今までと、変わらずに、物は見えているか?」


「うん、変わってないと思うよ。」


「それなら良いけど、本当に魔力の枯渇に気をつけるんだぞ。」


「マーぷ、俺もいるんだけどな。二人の愛の語らいは終わった?

マーぷ、俺も愛の語らいの仲間に入っても良いかな?。」悪戯っぽく、笑っている。


「ブラッド、お前からマーぷと言われたくないな。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る