第44話

「やっぱり・・・・」と、口走ってしまった。


「ケイトちゃん、自分が魔力を持ってるって知ってたよね。

それも闇属性以外、魔力量も相当あるよね」ドミニク神父が、呆れたように言ってくる。


「ケイト、えーーーと、魔力なしって聞いていたけど・・・・えっ、魔力を持ってるのよね。」奥様は、パニックになっている。


「ケイト、事情を誰に聞けば一番、良いのかな?」司祭が、ゆっくりした口調で、しっかりと見ている。


「司祭様、一番知っていると思われるのは、王宮文官のマティー様です。後は、出身村のギル村長だと思います。ケイトは、子供ですから、そこまで知らないと思います。」


「マティー様は、魔力なしと言っていたのよ。知らなかったんじゃないの?」パニックになっていた奥様が、落ち着きを戻し、言う。


「マティー様をお呼びしよう。話は、それからでいいでしょう。」司祭様の言葉で、一旦話は、終わろうとしている。


「すみません。ケイトの事です。マティー様にご迷惑をお掛けしたくありません。正直にお話ししますので、マティー様やギル村長を呼び出すのは、控えてもらえないでしょうか?」


「ケイトが言うなら、聞くわ。司祭様の宜しいですか?」


「いいじゃろう、ケイトが知っている限りでいいんじゃよ。」


奥様も、司祭様も了承した。渋々だが、ドミニク神父は了承せざる終えなかった。


子供を亡くした、平民の夫妻に、たまたま、拾った子供が、自分達の色を持っていて、本当の子供の様に育ててくれた事。

幼い時に、魔力がある事に気づき、隠して欲しいと頼んだ事、そして、今回、レスが、亡くなる時に、二人には、魔力を持っている事を隠さないで欲しいと頼まれていた事、でも、自分が魔力なしのままで、バードとレスの子供としていたかった、だから、我儘を言って、内緒にして貰った事を話した。


幼い頃に、魔力がある事に気づいたのは、マティーだったが、その事は伏せておいた。


「ドミニク神父は、どうして、魔力検定が、可笑しいと思われたのですか?」


「それは、ケイトちゃんの普段の行動からだよ。ケイトちゃんは、文字の読み書きも、出来るよね。後、マティー様の魔法の本を読んでいる所を見かけたんだ。最後の決めては、教会の裏で、魔法を使った痕跡が残ってたんだよね。」


「そうだったんですか。気をつけていたのですけど。ご存知だったんですね。」


「ただ、村での魔力検定の時に、水晶は反応しなかった。驚いたよ。でも、王都に戻り、問題は解消したね。魔道具士エマ、多分魔道具で、魔力検定を誤魔化せたとね。」


(誤魔化せたか。魔力を隠してたら、罪になるのかな?

マティーも、エマも、ギル村長の罪になるの?ケイトの為に?)


「司祭様、ケイトの魔力を隠していたのですから何か罪になるのですか?」


「今、魔力検定をして、魔力があるから、魔法学園に行かないと罪になるよ。行けば問題はないと思うが、どうじゃ、ドミニク神父もそう思うじゃろ。」


「そうですね。村の水晶の時には、魔力量が少なくて、反応しなかったのでしょう。王都の水晶は、少しの魔力でも、反応しますから。魔法学園に通えてよかったですね。」笑顔の下は笑っていなかった。


帰りは、奥様が全く、口を開かなかった。

屋敷に戻ると、マティーが来ていた。


来客室に、バルフォアボール辺境伯夫妻とマティーとケイトの4人が揃った。


「マティー、ケイトの事は魔力なしだったわよね。魔力があれば、教えてほし方わね。ケイトから理由も聞いたけど、魔力があれば、違うのよ。」


「サマンサ、もういいじゃないか。ケイトが魔力を持っていると言う事は、これから、魔法学園に入学が待っているんだ。平民からの魔法学園は、大変な事だよ、お金の問題もだが、学力の問題もだよ。だから、僕が村を回って、支援すると言っているだけどね。」


「ご主人様、奥様、すみませんでした。私がマティー様に我儘を言い、魔力を隠してもらっていたのです。マティー様は、全く悪くないのです。本当にごめんなさい。」椅子から立ち、深々と頭を下げた。


「ケイト、もういいよ。これからは、魔法学園い入る為の準備が必要だよ。基本魔力を持っているのは、貴族だからね。平民は、いないと考えていいよ。」


「アイク、ケイトについては、中級魔法を使えるよ、父親が亡くなった時に、ソウルリバース魂魄回帰を使って、最後の言葉を聞いたのだからね。小さい時から、文字の読み書きも教えたし、貴族のマナーについても、初級魔法を教えた。そして、中級魔法は本を自分で解読しているくらいだ、後教えるとしたら、ダンスぐらいだよ。」


「マティー、えっ、そこまで教えてるのか?

えーーと、ケイトの魔力量って?村の水晶で反応しないで、王都の水晶で、反応するくらいの量じゃないのか?」アイザックは訝しげに言った。


「ケイトの魔力量は、高貴族の魔力量だし、属性は、闇属性以外全てだよ。」


「はぁ〜、どう言う事かな?」頭を傾け、呆れている。


「ここからは、ケイトも知らない事なんだ、拾われた時、ケイトが、身に着けていた、服と御包みだよ。」持って来た、袋から取り出して、広げて見せる。


「どう見ても、貴族の子供だろうと、アイクにも連絡をしたよ、未婚の女子で、子供を産んだ噂がないか?とか誘拐された子が居ないかを確認したが、居なかった。そうしたら、貴族の子供で、魔力が無くて捨てられた可能性も考えた。赤ん坊のケイトに魔力を流すと反応があったから、その時点で魔力があるのは分かっていたよ。」


「マティー、どうして、言ってくれなかったんだ。」アイザックは、下を向いた。


「ケイトを拾ったのは、子供を亡くしたばかりで、ケイトを自分たちの子供として、育てる事を選んだんだ。平民の子供としてね。」





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