第25話

エマは、アクセサリーのアレンジがしたいと言って、ケイトの髪飾りを持って帰っていた。


「マティー神父の元彼女らしいな。アクセサリーのアレンジってどうするんだ。レス、君のブルーの髪の色を入れるのは良いだが、マティー神父の瞳の色は碧瞳だから、ブルーは入れたくなかったんだがな。」


「可愛い髪飾りなら、良いんじゃない。少し、変わるだけでも、違うしね。ケイトも髪はブルーだもの。」とレスが微笑みながら、ケイトの髪を梳いている。


(髪留めにあの石を入れるのかな?魔力なしにするために?大きかったわよね。髪留めと石の大きさが合わないじゃない。大丈夫なのかしら?心配になってきたわ)


次の日、教会に行くと、エマが、待っていた。


「レスさん、おはようございます。昨日はお世話になりました。」


「エマさん、おはよう。どうですか?ゆっくり寝られましたか?」


「はい、ケイトちゃんの髪飾りをアレンジしていたら、遅くなってしまって。」


「もしかして、寝てないんですか?」


「あっ いつもの事です。作るのに夢中になると、寝るの忘れてしまうのですよ。」


「はい、ケイトちゃん、髪飾り返すね。」


2歳の誕生日プレゼントの髪留め、赤い薔薇を中心に周りは緑の蔦になっている髪飾り、今はその赤い薔薇の中心に、サファイアのような青の小さな石が埋め込まれていた。


(昨日、持たされた石と違うわ。綺麗なブルーの石だわ、これなら、髪留めに入れても、違和感もないし、ずっと使えるわ)


レスも髪留めを見て、驚いている。

「エマさん、石が入っていますよね。高いんじゃないですか?」


「この石は、小さくて、使えない物だったから、大丈夫ですよ。それに、ケイトちゃんに付けてもらいたかったんですよ」


「本当にいいのですか?貰って?」


「勿論、いいですよ。でもお願いがあるんですが、毎日使ってくださいね。折角作ったんで、お願いします。」


「はい、毎日使います。 ありがとう」


エマだんエマさん ありとうありがとう


エマとケイトは手を繋ぎながら、マティーの居る執務室へ入り、髪留めを付けてもらった。


「ケイトちゃん、お利口さんね。髪留め可愛いわよ。」


「うん」と返事をするが、いつもとは、少しだけ、何かが違う気がする。


マティーが、静かに、防音結界を張った。


「ケイト、おはよう。髪飾りは気に入ったかい?少し違和感があるかもしれないけど、その内に慣れると思うよ。」


「マーぷ」と言って、マティー神父の方に駆け寄っる。

マティーは、ケイトを抱き上げる。


「ケイト、少し、気分が悪くなるかもしれないけど、我慢してね」と言って、マティー神父が何か体に流しているけど、髪留めの方に流れていくのがわかる。


「魔力が外に流れていっているのが、判るよ。エマ、でもこれじゃ、まだ魔力があるんだけど。」


「そうよ、最初から、全ての魔力を外に出すと、ケイトちゃんの体が危険よ。だから、魔力検定までに、後、2つ作るの。

ブローチとネックレスよ3つで全ての魔力を外に流すの。

多分、誕生日プレゼントにする様に勧めるわ。」


「エマ、子供に、3つもアクセサリーを付けるのは、可笑しいと思うが・・・・」


「マティー、3つ全てつけるのは、魔力検定の時だけよ、平民の子供がいつも、アクセサリーを付けているなんて、可笑しいでしょ、普段は、どれか、一つか二つを付けていれば、大丈夫だと思うの、ただ、魔力検定の時は、念の為に付けるのよ。」


「やはり、王都でも有名な魔道具士エマだな。アクセサリーって考えもしなかったよ。」


「後は、ケイトちゃんが、付けてくれるだけよ」とケイトを見て、微笑んでいる。


「うん、つけるよ」とにっこりと笑顔で返しす。


(そうよね、魔力検定の時に魔力なしにならないと、バード達と一緒に暮らせなくなっくなってしまうもの。そんなのは、嫌よ。

拾われて、溺愛されている事も分かっている。大事に育ててもらっているのよ、離れる事は、絶対に嫌よ。あの二人を事は、。)


執務室で、エマは、マティーに今後どのようにすれば良いのかを話している。


「マティー、ケイト本当に魔力なしでいいの? 魔力があるだけで、着ける仕事の幅は広がるのよ。

それに、ケイトちゃんが、魔力を持っていないと思い込んでいて、大人になった時に、どうするの?

魔力のコントロールとか、魔法の使い方とかを知らないじゃない。

苦労するわよ。マティーは責任持てるの?

両親には、ケイトちゃんのの事と持っている属性の事を話した方が、いいと思うわ。教えるだと思うわ。」


「魔力量を話す・・・・持っている属性もか」


「今は、話せなくても、ケイトちゃんが5歳の魔力検定までには、話すよ。そしてケイトちゃんにも、だからね」


(知ってますよ。闇属性以外が使えるって、魔力量は、今一わからないんだけど、マティーは、魔力量の事を話さないものね。

エマが、言う事も解るけど、マティーも悩みながら、魔法の本を読んで、教えているんだし、魔法を使わないように、言い聞かせてるんだもの、そんなにマティーを責めないで欲しいな。

魔力を持ってる事は、バード・レスもだけどギル村長も知っている。ただ、の事は知らないだけなんだもの)


「つかわない、ないしょ。」と言って、人差し指を口に当てる。


「エマ、ケイトは、魔法を使わない。内緒と言いてるよ。なあ、ケイト、内緒だもんね。」とにっこりしながら、人差し指を口に当てた。


「分かったわよ。ケイトちゃんとマティーの内緒ね。」と言うと、エマは遠い目をしていた。


話が終わると、防音結界が解かれた。


アクセサリー作成のエマという事で、バードとレスは、3歳の誕生日のプレゼントを頼んでいた。


プレゼントの注文を受ける形で、エマは王都に戻っていた。


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