第24話

手に持った石のお陰で、エマが頭に手を置き、何かを流しても、何処かに流れていく感じだけだった。

嫌な気分にならなかった。


「ケイトちゃん、ありがとう。気分は大丈夫?」

「うん だいじょぶ大丈夫」と頷きながら返事をする。


「エマ、石を持たせるだけでいいのか?」


「マティー、ちょっと考えてよ、石を持って遊ぶって、可笑しいでしょ、それに、いつなくすかもしれないじゃない。これは、試しって、言ったでしょ。これから、もう少し、アレンジをするのよ。そんなに慌てないでよ。」


「あっ、ごめん、エマ、凄いな。王都でも有名な魔道具士エマって伊達じゃないな。」


「煽てもダメよ。ねえ、ケイトの両親って、プレゼントに自分たちの色を入れてるって言ってたわね。出来れば、両親に合わせても貰える?」


「良いけど・・・・ケイトの・・・」マティーは口籠ってしまった。


(バードもレスにも、本当の魔力の事、言っていないのよね。

今は、マティーとケイトの秘密になっているから、魔法も使わないようにしているしね。)


「解ってるわよ、今は、マティーの元彼女で、今はアクセサリーなどの小物を作っているって、紹介してよ。」にっこりと笑っている。


「僕の元彼女・・・・って、聞かれるだろ、何故別れたのかって、小さい村なんだ、後の事を考えてくれよ。」眉間に皺を寄せている。


「簡単じゃない。私が、貴方よりも、仕事を選んだだけ、そして、今回は、貴方に子供がいると聞いてやって来たけど、子供は、いなかった。って事よね」と悪戯っぽく話してる。


「ああ、解ったよ、ケイトの両親に紹介するよ。それで、良い方法が見つかるなら、仕方がないだろう。」


ケイトを連れて、バードとレスの居る我が家へ戻った。


家に戻ると、まだ、バードは、仕事で戻っていなかったが、エマがいるので、マティーも家に招き入れて、テーブルで話している。


「レスさんとバードさんのお子さんだったんですね。ケイトちゃん可愛いですね。教会でマティーと一緒だったから、子供が出来たのかと思ったんですよ。」と笑いなが話している。


「私も、結婚していたら、子供がいても可笑しく無いのですけどね、私は仕事を選んだから、マティーには悪い事をしたと思っているのよ」


(はいはい、元カノアピールね。でもよく喋るわよね。)


エマさんの独壇場のように、話を続けている。

マティーもレスもずっと、聞いている。

そこへ、仕事が終わり、バードが戻ってきた。


「おと、おかえり」と走って、ケイトは、ドアまで迎えに行くと、バードが「ただいま」と言いながら、抱き上げて、テーブルの方に向かって行く。


テーブルには、知らない女性と、マティーが座っている。


「マティー神父、いらっしゃい。そちらは・・・・」と言うと、


「ケイトちゃんのお父さんですね。私、エマと言います。」とにっこり笑い、お辞儀をする。


「ケイトの父親のバードです。今日は何かありましたか?」

と訝しげに聞いてきた。


「いえ、ケイトちゃんが、可愛くて、ご両親に会って見たくなっただけです。本当にケイトちゃんは、お利口さんだし・・・・・」と話をする。


暫く、話をしているうちに、私の髪飾りの話になった。

「私、アクセサリーを作っているのですよ、ケイトちゃんの髪飾り、少しだけ、手を加えたいのですけど、よろしいかしら?」

とバードとレスに聞いている。


「手を加えるって・・・・それに俺たちの色が入っているしな。」とバードが渋ると。


「そうですね。ご両親の色が入ってますけど、レスさんのブルーの髪の色が入ってないなって、思ったんですよ。私も同じ、ブルーの髪だから、そう思うのかもしれないんですけど。」


「でも、どうやって入れるんですか?それに、手を加えてもらっても、支払いはできないですよ。」とバードが言う。


(そうよね。やっと買って貰ったのよ、凄く気に入っているのよね)


「いや、お金は入りませんよ。私がしたいのですし、色も形も変えませんけど、少しだけアレンジさせてください」


色々と話して、髪留めを渡しアレンジしてもらう事になった。


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