第19話 マティー神父 side
まだ、3年しか離れていないのに、王都に居た事が昔のように感じられるな。
王宮からの派遣で王都の教会で神父として働いている時だった。
そんな時に、魔法学園からの親友アイクからの依頼がきた。
アイクの領地の一つの村が、アトウッドキャクスト国で隣国と接しているにも、関わらず、識字率が低い、もし、隣国からの侵略があった時に、文字の読み書き画出来なければ、連絡が、取れない可能性もあると。
そして、村には、教会があるに、神父が居ない、だから神父の派遣の要請をしたという事だった。
識字率を上げる事は、時間のかかる仕事だ。
下手をすると、王都に戻って来れない可能性もある。
だからこそ、王都の教会にいる神父達は嫌がる事は解っている。
王都の本部にいる神父は、名誉と権力を持ちたい者が多いのだから、仕方がない事だ。
丁度、そこに俺が、本部の教会にいた事が、幸いした。
アイクから、話を聞くと、隣国との境の地域なのに、識字率が低い、村には村長一人しか、文字の読み書きができる者がいないと言う。
親友の頼みという事もあったが、アトウッドキャクストン国にとっても、とても重要な事だと国王に進言をした。
国王の対応は素早かった、王都の教会本部からの派遣の命令。
国王からは、現状の把握と状況の改善を進めてほしいと、そして、改善されてからは、他の神父を派遣させると言われたいた。
教会本部には、王命なら、王宮からの派遣の自分が最初に行くと伝え、アイクに、国王の意向を伝え、バルフォアボール領に向かう事にした。
アイクと一緒に村に行き、最初に代変わりしたばかりの、ギル村長の紹介をされた。
ギル村長は、領主のアイクと、俺を教会に案内して、現状を話し始めた時の驚きは隠せなかった。
その建物は、いつでも使える様に手入れはしてあるのに、誰も教会を訪れる者もいない、寂しい所だった。
救いは、ギルと言うまだ30代の若い村長だった。
この村で、文字が書ける存在で、識字率を上げたいと思っている、協力者だったからだ。
最初の1年は、教会や神父の存在、礼拝堂での祈り、洗礼の儀式、結婚式や葬式などこの村で行える事を村の人達に知ってもらう事だった。
1年が経つ頃、教会の存在の認識し始めた矢先の出来事。
バードとレスの子供、
子供の死を受入れられずに、毎日、教会の礼拝堂で祈りを捧げて家路に着く日を過ごしていた。
やっと、ケイティの死を受入れた日の帰り道に、森の入り口で赤ん坊を拾ったと。
それも、自分たち夫婦の瞳と髪の色を持った子供だから、神様から贈られたと喜び、自分たちで育てると。
ギル村長に、子供の事を話し、自分たちの子供として、育てると報告に行っていた。
ただ、ギル村長は、その赤ん坊が魔力を持っているかも知れないと思い、
神父である、俺に相談に来たのだ。
なぜなら、御包みが、上等な生地で出来ているから貴族の子供だと思わせていたからだ。
赤ん坊が捨てれられた理由を考えると、未婚の貴族が赤ん坊を産み捨てたか、
高貴族なのに魔力を持っていない赤ん坊が産まれたから、隠すために捨てた可能性、そして、高貴族の赤ん坊の誘拐され、捨てられた可能性だった。
この国では、5歳の時に、魔力検定が、行われる。
今まで、この村は、隣村で検定を受けていたが、教会がこの村にもあることで、赴任した年からは、この村の教会で行われる事になっていた。
ギル村長が、俺に相談に来たのは、平民は、魔力を持っていないが、貴族は魔力を持っているからだ。そう、魔力検定があるからだった。
もし、魔力が有ると判れば、魔法学園に通うことになるから、魔力がないと判定してほしいとの願いを言う為だった。
村の魔力検定の水晶は、多少の魔力があっても、魔力なしの判定が出るようにしているから、高を括っていたが、その赤ん坊に魔力を流すと、魔力量が多い事にすぐに、判った。
村の水晶で隠せる程なのだろか?と心配するが、まだ、時間はあるから、ゆっくりと考え、対処する事にした。
まあ、隠せない時には、魔法学園に入学させれば良い事だとさえ、思っていた。
赤ん坊の名前を聞くと、ケイトだと夫婦は答えた。
その時に、ケイトを使って、子供達に、教会に来る事の気っ掛けを作り、子供達に、本を読んで、文字に興味を持たせる事を思いついた。
バードとレスに、ケイトは、神様からの贈り物なら、神様に見せるためにも、連れて来る様に言う。
中々、二人が、ケイトを教会に連れて来ないから、ギル村長に、どのようにしているのかを聞くと、拾われたケイトは、バードとレスが溺愛し、ひと時も離れないとギル村長が、教えてくれた。
ギル村長に、ケイトを使い、教会に子供達を来させて、本を読み聞かせをし、文字に興味持ってもらう事をしたいと話した。
まずは、ケイトを子供達と一緒に教会に来させる事をギル村長と作戦を練った。
ギル村長が、村人に、ケイトが、外で見かけた時には、子供達も一緒に出来るだけついていって欲しいと、頼んでいた。
村人もバードとレスの持ちを知っているからこそ、承知してくれた。
そして、ギル村長と俺は、ケイトの家に行き、教会に連れて来て欲しいと、言いに行った。
次の日に、バードとレスは、ケイトを教会に連れて、来てくれた。
そして、子供達は、バードに抱かれているケイトをあやしながら、後に付いてきていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます