第15話
人差し指を口に当て返事をした。
マティー神父は、少し驚いた表情をしながら、「ケイト、そう内緒だよ」と言いながら、治癒魔法を教え始めた。
「まずは、小さい怪我の時に使うんだよ、怪我をした所を、そーと触れて、『ヒール』と称えるよ、人に聞こえない様にね」とほほ笑見ながら、教えてくれる。
「シール シール シール」ヒが言えない。もう、どうしても、ヒが言えない。何度も、繰り返していると、歯痒くなって、つい、両手を振り上げて、下ろした手が、マティー神父に当たった。
忘れてた、目の前にいる、マティー神父を見ると、目を細めて、笑っている。
「ケイト、良いんだよ、まだ、言えなくて当然なのだから、少し焦って教えてしまっているのだかね。ケイトが、お喋りが出来るから、言えると思ってしまったんだよ。魔法を覚えるのは、もう少し先だね。」と言って、魔法の本を読み始めた。
(マティー神父、
「ケイトは、魔力鑑定で、魔力量がないとする為だよ」マティー神父は何度も同じ事を繰り返し言い聞かせてくる。
(そうよね、1歳児には、同じ事何度も繰り返し言わないといけないのよね、1度で分かるのは、大人になってからよね。
マティー神父、中身は40歳だから、1回で大丈夫ですと言いたいわ、ああ、さっきの様に、癇癪起こすようだと、40歳とは言えないわね。)
その後は、いつもの様に、レスと家路に着く。
教会に行く日は、みんなと一緒に本を読んでもらい、みんなに文字を教える時には、後で、魔法の本を読んでもらう、日常を過ごしている。
暫くして、教会に毎日、村の子供達が、本を読んでもらい、文字を教えてもらっている事を知った、大人達は、神父様が、1人で、多くの子供の世話は、大変だろうから、村の代表として、1人ずつ、毎日くるようにしていた。
そんな時、歩く事にも、だいぶ慣れて来て、つい、ジャン達の仲間に入っって、追い駆けっこをし始めた。歩く事も、やっとなのに、追い駆けてると、転んでしまった。膝と、掌を擦りむいた。
(ああ、怪我してしまったわ、バード達が心配するわね、出来るかしら?駄目元でやってみよう。ヒール)
掌を膝に当てて、ヒールと心の中で、詠唱を唱えてみる。
掌と膝の擦り傷が消えていた。
ジャン達が、
「ケイト、大丈夫か?怪我はないか?」とジャンを中心に声をかけ始めた。
「怪我がないみたいだな。良かった、ケイトが少しでも怪我するとバードおじさん、多分、怒鳴り込んでくるぞ。
ケイト、転ばないような遊びだけ、一緒にしよな。」ジャンが、頭を撫でながら言ってくれる。
小さく頷くと、「解ってくれるか。良い子だね。もっと、上手に走れるようになったら、追い駆けっこの仲間に入れるから、それまでは、我慢しろよ。よし、教会の中に入ろう」
マティー神父が、いつものように本を読んで、文字を教えてくれる。
ジャン達が帰った後、マティー神父がいつものように、魔法の本を読み始めようと、抱き上げ、膝に乗せようとした時だった。
「ケイト、転んだ?洋服が汚れているよ。怪我はしていないのかい?」
じーっと
怪我は、していないと、首を振ってみせた。
(ヒールと口にしなくても、怪我が、治ったって言わない方がいいわよね。)
「怪我が無ければ、いいんだ。ケイト、もし、怪我をして、『ヒール』を言えるようになっても、人に訊かれたらいけないよ。
内緒なんだからね。もし、怪我をしたら、
最近では、内緒の話の合図になっていた。私も、人差し指を口に当てて、内緒だね、と返事をするようにしている。
「マーぷ ほん」と指を指して、魔法の本を読んでもらう催促をする。
「ケイト、魔法の本ばかりでは、飽きるだろうから、今日はね、少し違う本を読むよ」と言って、教会と貴族の関連の本を読み始めた。
「ケイト、本当はね、マーぷのお仕事の内容だよ」とにっこり笑っている。
「マーぷはね、貴族なんだよ。神父もしているけどね。」人差し指を口に当てる。内緒の話なんだと理解したと、
マティー神父は、いつもの様に、目を細めながら、頭を撫でている。
最近では、
(マーティ神父、貴族なんだ、どうして、神父になったんだろう?内緒って言ってたよね。ここで、文字を教えることと関係があるのかもしれないわね)
この日は、バードが、畑の帰りに迎えにきた。
「おと」と言って、駆け寄っていくと、バードは満面の笑みを見せてくる。
後を振り向き「マーぷ」と言って、手をひらひらさせ家路に向かった。
最近は、少しは、手を繋いで、歩くようにしている。
慣れは、怖い、途中で、転んでしまった。
バードが、慌てた「ケイト、大丈夫か」と言いながら、
「
「ケイトは泣かないから、偉いぞ。でも、痛いのを我慢してはいけないからな。痛い時には、ちゃんと泣いていいんだからな。
怪我は、なかったかな。」と言いながら、怪我をしていないか、チェックをした。
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